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【ちょっと読書】わたしを離さないで [読書]

自分の感受性では、最後まで本書を理解することができなかった。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

  • 作者: カズオ・イシグロ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/08/22
  • メディア: 文庫



著者は長崎で生まれ、5歳のときに父の仕事のために渡英。日本とイギリスのふたつの文化を背景に育った方で、本書は映画化もされたベストセラーです。


私の場合、アマゾンのいくつかのレビューにあるようなリアリティについては気にならず、文章の良さもあってすんなり入り込むことができました。内容が退屈だということもなく、400ページ以上にわたってぎっしりと文字がつまっているが、割と短時間で読めた。


しかし、本書をどのように受け止め、どう表現していいのかがわからない。 確かに読了後、何かが心の中に残っている。しかし私の感受性、表現力、語彙では、これが何かを表現できないばかりか、自分自身でもよくわからない。


何だか、モヤモヤしている。


本書は極力ネタばれはない方がいいと思うので気をつけたいが、 しかし、以下、ちょっとだけネタにふれるので注意してほしい。


本書の中心となる3人は、運命を受け止め、抗うことなく生きているように見える。あるとき、ひとつの希望が見えた。その時の彼女らの反応はどうか。著者のまさに抑制のきいた文章のごとく、彼女達は自分達を抑制しながら行動する。

その心の動きは理解できる。どうしようもならないと運命を受け止めているとき、人はそのように行動するのかもしれない。でも、本心は、望んでいるのは、きっと違うのだろう。


次のセリフが、頭に残っている。

「よく川の中の二人を考える。どこかにある川で、すごく流れが速いんだ。で、その水の中に二人がいる。互いに相手にしがみついている。必至でしがみついているんだけど、結局、流れが強すぎて、かなわん。最後は手を離して、別々に流される・・・」

そこで、本書のタイトルを思い浮かべる。そう、あのカセットテープの。Never Let Me Go・・・わたしを離さないで。わたしを行かせないで。そんなことをしないで。

まさに物語はそのような結末を迎える。


そして、彼女たちの出来事と、想いとを想像するのだけれど、その想像が最後まで辿り着けない。

自分のなかで処理できない。
まだ、私には本書を理解することができない。

何か重要そうなことだと思うのだけれど。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

  • 作者: カズオ・イシグロ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/08/22
  • メディア: 文庫



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