それは蓄積だ。 [これから日本の話をしよう!]
今年の桜は、忙しくてゆっくりと楽しめなかった。関東の桜は散ってしまったが、東北はこれからが見所だろう。とはいえ、私自身が北上して花見を楽しむ時間もなし。
桜前線とれたて便(るるぶ)
日本人は桜好きだ。
色々な紋章に使われているし、私たちが毎日目にする百円玉硬貨の表の花も、桜だ。春を象徴し、パッと咲いて、サッと散る。その風流さは日本の精神に影響し、武士道にも通じるところがありそうだ。
では、これはいつ頃からだろうか?
昔から、日本人は桜が好きだったのか?
平安時代の古今和歌集を見ると、桜に関する歌が非常に多いらしい。
・世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし (在原業平)
在原業平といえば、美男子の代名詞だ。業平は、当時はど田舎であった東国、関東とも縁が深く、墨田区の業平橋(なりひらばし)をはじめとした業平橋が関東にはたくさんあるが、まぁそれは置いておこう。
古今和歌集に見るように、すでに平安時代には、桜は花の代名詞といっていいくらいの存在だった。
では、それ以前はどうだったのか。
平安時代より、ひとつ前の奈良時代。
その時代の歌を多く含む万葉集をみると、もっとも多く詠まれているのは萩の花で、桜は梅と比べても三分の一ほどの数しかないのだという。
参考:古今和歌集 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
それが時代が流れ、桜の花に人気が移った。
和歌で詠まれ、桜の人気は更に高まったのかもしれない。
すると、桜の樹を植えようとする人が、増えるのかもしれない。
桜の樹が増えれば、桜を見る人も増えて、更に桜人気が高まったのかもしれない。
そうすると、かつては貴族やお偉方の行事だった花見を、庶民が楽しむ機会がずっと増えたのかもしれない。
桜はどんどん増える。
目にする機会も増える。
やがて、私たちは自然と、桜の花に風流を感じるようになる。
日本人だから、自然と、何の影響も受けずに、桜の花に魅せられるのか?
そうではないと思う。これは、過去から連綿と続く、何かの蓄積ゆえの結果だと思う。
貧乏舌なんて言葉もあるが、良いものに触れる機会がないと、その良さがわかりにくいモノなのかも知れない。私たちは桜に接する機会が頻繁にある。桜に対する感度は、萩や梅に比べて、圧倒的に高まるぅ~。
それは蓄積だ。
桜前線とれたて便(るるぶ)
日本人は桜好きだ。
色々な紋章に使われているし、私たちが毎日目にする百円玉硬貨の表の花も、桜だ。春を象徴し、パッと咲いて、サッと散る。その風流さは日本の精神に影響し、武士道にも通じるところがありそうだ。
では、これはいつ頃からだろうか?
昔から、日本人は桜が好きだったのか?
平安時代の古今和歌集を見ると、桜に関する歌が非常に多いらしい。
・世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし (在原業平)
在原業平といえば、美男子の代名詞だ。業平は、当時はど田舎であった東国、関東とも縁が深く、墨田区の業平橋(なりひらばし)をはじめとした業平橋が関東にはたくさんあるが、まぁそれは置いておこう。
古今和歌集に見るように、すでに平安時代には、桜は花の代名詞といっていいくらいの存在だった。
では、それ以前はどうだったのか。
平安時代より、ひとつ前の奈良時代。
その時代の歌を多く含む万葉集をみると、もっとも多く詠まれているのは萩の花で、桜は梅と比べても三分の一ほどの数しかないのだという。
参考:古今和歌集 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
それが時代が流れ、桜の花に人気が移った。
和歌で詠まれ、桜の人気は更に高まったのかもしれない。
すると、桜の樹を植えようとする人が、増えるのかもしれない。
桜の樹が増えれば、桜を見る人も増えて、更に桜人気が高まったのかもしれない。
そうすると、かつては貴族やお偉方の行事だった花見を、庶民が楽しむ機会がずっと増えたのかもしれない。
桜はどんどん増える。
目にする機会も増える。
やがて、私たちは自然と、桜の花に風流を感じるようになる。
日本人だから、自然と、何の影響も受けずに、桜の花に魅せられるのか?
そうではないと思う。これは、過去から連綿と続く、何かの蓄積ゆえの結果だと思う。
貧乏舌なんて言葉もあるが、良いものに触れる機会がないと、その良さがわかりにくいモノなのかも知れない。私たちは桜に接する機会が頻繁にある。桜に対する感度は、萩や梅に比べて、圧倒的に高まるぅ~。
それは蓄積だ。
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