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人類を狙う、捕食者の正体 [これから日本の話をしよう!]

ちょっと気になる事件が多い。

・交際中の女性に爪はぎ強要…28歳男、再逮捕

・生活保護費の不正受給額倍増、6億円超…埼玉

・「その場のノリ」で集団暴行、少女や無職男ら11人逮捕 京都府警

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)」がベストセラーになり、芸能人のモラルを問う話題がニュースになるということは、社会的な決まりごとや道徳、良心というものが改めて注目されたということだと思う。

しかし、それにしても、世の中のモラルが前進しているようには思えない。


家庭内暴力、DV、児童虐待、不正受給問題、様々な場面で共通しているのは無責任さだ。


良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖」という本をご存知だろうか?

以前、このブログでも紹介したことがある。
・秩序は簡単に崩壊する、ほら、あちこちで。

アメリカのカウンセラーが書いた本で、簡単にいうと、世の中には“良心をもたない人”というのが、かなりの割合でいるという話だ。


ちょっと、すとーっぷ!

良心をもたないと聞いて、どんな人間をイメージしただろうか?おそらくそれは、外れてはいないが、正しくもないと思う。

良心をもたない状況を、良心をもっている人間は、想像することが難しい。

例えば、次のストーリーを読んでみてもらいたい。


「あなたは今日、大事な出張の予定がある。これがうまくいけば、出世は間違いなしだ。反対に、失敗すれば、あなたの立場はかなり悪くなる。

準備万端で空港に向かい、時間ギリギリで到着しそうだ。

そこで、あなたは大事なことを思い出した。

愛犬のエサと水の用意を忘れてきたのだ。

出張は、泊りがけだ。

犬は、いったいどれだけ飲まず食わずで平気なものか、よくわからない。

あなたは一人暮らしだ。誰かに世話を頼めればいいけれど、あいにく頼りになりそうな人物は思い浮かばない。

さあ、どうする?」


愛犬にエサと水を与えるためには、自分が戻るしか方法はない。かといって、放っておいて、犬がどうなるのか(無事かもしれない)もわからない。

以上の話は本書で出されていたもの(私のうろ覚えの記憶)で、良心のない人を考える上で、1つの参考になる。


本書では、良心のない人の特徴を次のようにあげていた。(あくまで私の主観でピックアップしている点、よろしくどうぞ)


・平気で嘘をつく。周囲の人は、彼らのことをほとんど見抜けない

・いい人を演じる。周囲から見て、魅力的な人にうつることがある。

・支配したがる。お金、物、時間、相手の行動、相手の感情、相手の人格


彼らには、普通の人々と同じで、能力の高い人もいれば能力の低い人もいる。
一国の独裁者やグローバル企業のリーダーになる人もいれば、幼稚でチンケな犯罪を繰り返してばかりの人もいる。


暴力を行使する人もいれば、暴力を行使しない人もいる。
殺人や傷害事件を起こす人もいれば、暴力は一切使わないが他人に寄生するだけの(例えば働かずに過ごしたり)人もいる。


・同僚や上司を蹴落として昇進するビジネスマン

・配偶者や家族、兄弟姉妹を支配する夫

・友人や後輩を罠にはめて傷つける人

・自分は働かず、恋人に寄生しているうえ、恋人を罵倒・中傷する

・優しい言葉をかけたり、泣いたりして許しを請うが、まったく反省していない人


彼らを見た目で判別できない。紛れ込んで、私達の日常のすぐそばにいる。


彼らは、人類にとっての捕食者だ。


彼らを見分けるのは無理だと思ったほうがいい。
見分けることができたとしても、周囲の人は信じてくれないだろう。

本書で例にだされた人々は、みな、孤独な戦いを強いられる。というか、戦う方法なんてないということがわかる。彼らの多くはやがて自滅するので、そのときまで逃げるしかない。自分を守るのは、彼らとかかわらない事だ。


では、そんな怖い人ってのは、どのくらいいるのだろうか。

なんとアメリカでは、人口の4%もいるのだそうだ。

25人に1人である。

学校でいえば、1クラスに1人だ。


この本、じつは今、定価では手に入らないと思う。
アマゾンやその他で見ても、もう中古しか流通していない。非常に残念だ。

はっきりいって、この本はお勧めだ。中古でも、値段が高騰するまえに買っておくことをお勧めする。それだけの価値のある本だ(再販されたらor流通していたらゴメン)。
(ちなみに、アマゾンでは現在、中古で3000円前後。定価の倍だなぁ)

良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖

良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖

  • 作者: マーサ スタウト
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本


良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖

表紙に騙されるな。鋭く、いい本だぞ!?

ちなみに、出版社提供の立ち読みはこちらだ。
・〔立ち読みコーナー〕良心をもたない人たち──25人に1人という恐怖(草思社)

さて、なぜ私がこの本をお勧めしているのかというと、冒頭の事件の話にもどる。
さいきん、日本全体で“良心の欠如”が見られるのではないか、と思うからだ。

もちろん、昭和30年代のほうが残酷な事件が多かったのは知っている。しかし、最近の事件というのは、見た目のグロテスクさとは別に、モラル、良心的なものが薄くなってしまっているように感じるのだ。

かつてあった、村社会というのは、そういう意味で言うと非常に優れたシステムだったと思う。勝手な行動ばかりをとると、村から排除されるからだ。江戸時代なども、主君押し込めというような形で、独断専行型のリーダーは、良くも悪くも動きを封じられた。
集団主義っぽくて息が詰まるが、しかし良い面もある。

本書でもイヌイットの話がでてくる。
イヌイットの集団でも、昔から“良心のない人”サイコパスがいたらしい。男達が狩にでている間、嘘をついて集落に残り、複数の女性に手を出す。そういった人間は直らないことを知っていたので、彼らはやがて抹殺されることになる。


日本国内の説話のなかに、お地蔵さんが好き勝手をする話がある。詳しく書くのもアレだが、お地蔵さんが夜な夜な不埒な事件を起こすのだ。そこで村人たちはどうしたかと言うと、こらしめるのである。ふんじばって。

米国では4%といわれるサイコパスだが、実は、日本や東アジアでは、その割合がかなり低いらしい。台湾の事例では、0.1%前後だった。著者は、文化的な要因が大きいのではないかと考える。

サイコパシーは遺伝的な要素も考えられるが、文化的な要素も大きい。個人主義、一人がちを英雄視する風潮のある欧米では、彼らは一定の割合で生き残り、紛れ込みやすい。かたや集団主義的な儒教文化圏では、彼らのような人間は排除されるか、行動を正す様に周囲の圧力がかかる。故に紛れ込みにくいし、変な行動にもでにくい。


ところが最近、である。

公助はサービス業化したお役所が処理するので、周囲の目はとどかない。個人の自由という主張により、権利ばかりを要求しやすい風潮も出来てきている。

もし、サイコパスというものが、文化的な風土によるところが大きいのであれば、いよいよ我が日本も“良心をもたない人間”大量発生の時期を迎えているのかもしれない。

90年代に行われたアメリカの調査によると、若者のなかに占めるサイコパスの割合が、15年で2倍に増えたという。

我々日本では、どうだろうか!?


アメリカでは昨年、格差デモが頻繁に開かれた。これはそういった風潮の揺り戻しかもしれない。
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