SSブログ

グリーン経済とダーウィンの悪夢 [雑談]



ブラジルで環境サミットなるものが開かれている。リオ+20というやつだ。グリーン経済というものを提唱していて、そのグリーン経済とは何かと言うと、

<化石燃料から太陽光などの再生可能エネルギーへ転換し、生態系を守りながら農業を営むなど新しい経済の在り方>
だそうです。

その、リオ+20が提唱する「グリーン経済」に対し、各地域の先住民達が反対を表明しているという。

先住民達は、<グリーン経済は自然を「ドル化」し、共同体が持つ権利を剥奪する「人道に対する罪」だと糾弾した>。



ちょっと、意味が分からない。

どゆこと?


開発、開発、とされるより、グリーン経済のほうがいいんじゃないの??


だって、グリーン経済って、
<化石燃料から太陽光などの再生可能エネルギーへ転換し、生態系を守りながら農業を営むなど新しい経済の在り方>
なんでしょ?


つまりは、彼ら先住民が焦点としている問題は、環境ではなくて自分達の権利が侵される、という部分なのか・・・。

それは、そうなのかもしれない。
先住民からしたら、勝手に土地を侵略しにきて、空気を、土を、水を汚して金儲けしたやつらが、「ああ、やっぱこのままじゃいけないよね」とか言いながら、「これからはエコだよ。土地がいっぱい余ってんだから、その土地使って農業やら再生エネルギーやらで、環境に配慮しながら儲けようぜ」と言っているように見えるわけだ。

多分。

だとしたら、ずいぶんと馬鹿にされた話だよな。

「おいおいおい、そこは本来、オレ達の土地だよ。なに勝手に決めてんだよ」というところだろう。
まさにコーポラティズムなり。


環境に配慮する。

先住民族を尊重する。


この2つを守ろうとすると、結局は経済成長を諦めるのが一番だ。

しかし、それは衰退を意味する。
そうすると、当然反論がわく。
いわく、

・いきなり便利な生活をやめられるのか?
・電気も水道もない生活に戻れるわけないだろう?
・ただでさえ老人が増えるのに、どうやって国民を養うんだ
・病気や貧困で死ぬやつだって増えるぞ
・世界中で人口が増えるんだ。食糧も資源も足りなくなる。その時に、どうやって自分達のパイを確保するんだ


やめられない。
きっと。
この便利な生活は。


脱原発か、再稼動かの問題のときも思ったけれど、我々にはもはや、選択肢はないのかもしれない。

そんなことを考えながら思い出したのは、「ダーウィンの悪夢」だ。


-------------------------------------------

淡水湖では世界第2位(*)の大きさを誇るヴィクトリア湖。
そこは、生物多様性の宝庫であることから「ダーウィンの箱庭」と呼ばれていた。


その湖に、今から半世紀ほど前、ささいな試みから、新しい生き物が放たれた。


この大食で肉食の外来魚ナイルパーチは、もともと生息していた魚の多くを駆逐しながら、どんどんと増え、状況は一変。湖畔の町にはナイルパーチの一大魚産業が誕生し、周辺地域の経済は潤う。

しかし、一方では、悪夢のような悲劇が生み出されていった。

新しい経済が生み落とす貧困、売春、エイズ、ストリートチルドレン、ドラッグ、湖の環境悪化……。まるでドミノ倒しのように連鎖する。さらには、ナイルパーチを積みにやってくる飛行機がアフリカへ運んでくるものにも驚くべき疑惑が……。

ナイルパーチは日本にも輸出されている魚だ。強大な資本主義が世界を覆いつくそうとする今、本作で情け容赦なく暴かれていく悪夢のグローバリゼーションは、決して遠い世界の出来事ではない。

http://www.bitters.co.jp/darwin/

------------------------------------------

ダーウィンの悪夢 デラックス版 [DVD]

ダーウィンの悪夢 デラックス版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD



ダーウィンの悪夢は、グローバリゼーションの縮図かもしれない。

環境問題も、原発問題も、世界中で巻き起こった格差デモも、泉佐野市の馬鹿な市名売却案も、通底する問題なんじゃなかろか。


見事、富と平和の経済発展というスパイラルに巻き込まれている私達にとって、この渦から逃れる術も勇気もない。

先住民と世界中の動植物と地球にとって良いことか悪いことか分からないが、グリーン経済自体も、具体的な施策や目標が先送りされている現状がある。経済発展を優先させたい側にとって、グリーン経済は開発の邪魔になるからだ。
・リオ+20:途上国、環境より成長 グリーン経済に不信


ここは発想を変えるべきかもしれない。
ルールはゼロサムゲームだけじゃない。アクセルの緩急をつけることくらいなら、我々にだってできるのではないか、と。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。