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日本人とは何かを考えつつ、「神道はなぜ教えがないのか」を読む [読書]

私たち日本人は、自分たちで思っている以上に、自分たちのこと、日本のことを知らないのではないかと思う。

井沢元彦さんだか山本七平さんだか忘れたが、それは私たちが侵略された経験がないため、というような事を言っていた気がする。つまり、私たちは自分たちが何者であるか、日本人とは何であるかを説明する必要なく、ここまでやってきた。空気を読む、阿吽の呼吸、言わずとも察しろというのは、同じ文化を共有していないとできない。
私たちはそれらを説明する手間を省いている。

なぜ初詣に行くのか。
初詣で、神社に行く人と、お寺に行く人とがいるが、その違いは何なのか。
なぜ無宗教の人が、そのような宗教施設(?)に行くのか。

無宗教であっても、子どもが生まれればお宮参りに行くし、七五三にも行く。
家族がなくなれば、結構なお金を出して、お墓も建てる。法事もする。火葬だけして骨の残りは棄てる、なんてことは、例え無宗教であってもしない。

それだけ神社やお寺と縁があるのに、それでは神社とは何か、神道とは何かと聞かれると、説明が難しい。

我々は我々を説明できない。

最近では、お宮参りや七五三で、お参りに行かないという人も増えてきた。
初詣に行かない人も、ある程度の割合でいるのではないか。
お米よりももっぱらパン食で、お茶よりもコーヒー。
着物なんて来たことがないけれど、クールビズの時にはアロハシャツを着る。
ハロウィンパーティーでは仮装してはしゃぎ、クリスマスを人生の一大イベントと位置づけ、バレンタインデーにはドキドキする。

「お正月にお餅を食べる理由?食品メーカーの陰謀だよ」
「七夕?ああ、お願い事をするイベントでしょ?」
「お盆とお彼岸って、お中元とお歳暮と同じくらい、紛らわしいよな」

更に文字は絵文字を多用し、話し言葉がローラさんのようになったら、それは日本人と言えるのだろうか。



国籍が日本なら日本人か。

日本人とはなんだ。

という問題意識を念頭に持ち、今この本を併読しています。
神道はなぜ教えがないのか (ベスト新書)

神道はなぜ教えがないのか (ベスト新書)

神道はなぜ教えがないのか (ベスト新書)

  • 作者: 島田 裕巳
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2013/01/09
  • メディア: 新書


私は神社まわりを結構していますが、それでも神道とは何かと聞かれると、答えがスラスラ出てこない。私たち日本人との関わりが古く、身近であり、その数はコンビニよりも多い神社。

意外に考えたことが少なく、知らないことが多い。

神主はいらない、という章がある。
「葬式は、いらない」を書き、議論を巻き起こした著者だけに、次回はこのテーマについてもっと突っ込んで書いて欲しい。

新書で読みやすく、おすすめだ。歴史好き寺社仏閣好きであれば知っていることは多いが、それでも新たな問題を自分に提起する上で、非常に良い本だと思う。

約220ページある。そのうち、現在150ページまで読み途中。
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