残穢と鬼談百景 [読書]
楽しみな本がある。
小野 不由美さんの新作ホラー小説、「残穢」と「鬼談百景 (幽BOOKS)」だ。
新作が2冊同時にリリース。
残穢が長編、鬼談百景が短編ということらしい。
小野 不由美さんといえばティーンズ小説出身だが、あなどるなかれ。筆量十分、とんでもない書き手だ。私はこの新作、まだ読んではいないのだが、小野 不由美さんに関しては信頼している作家の1人なので、レビューや評判を気にせず購読するつもりでいる。
小野 不由美さんといえばとんでもない長編が多いのだが、今回の残穢は、小野 不由美さんからすればそこまででもない。とはいえ五〇〇枚書き下ろし。
ちょっとあらすじを引用しよう。
<怨みを伴う死は「穢れ」となり、あらたな怪異の火種となるのか──。畳を擦る音が聞こえる、いるはずのない赤ん坊の泣き声がする、何かが床下を這い廻る気配がする。だからあの家には人が居着かない──何の変哲もないマンションで起きる怪奇現象を調べるうち、浮き上がってきたある「土地」を巡る意外な真実。>
穢れがテーマとは、日本的でいい。が、純和風というものでもなさそうだ。
純和風な展開でいえば、小野さんの以前の作、これが面白かった。
「ゴーストハント6 海からくるもの (幽BOOKS)」
<日本海を一望する能登半島で料亭を営む吉見家。この家は代替わりのたびに、必ず多くの死人を出すという。依頼者・吉見彰文の祖父が亡くなったとき、幼い姪・葉月の背中に不吉な戒名が浮かび上がった。>
“古い信仰が残る土地”で起こる怪異。私自身、この作品のレビューにも書いたのだが、
「本書で取り上げられているような素材(塚や信仰や歴史)は、日本各地に残っています。
私、趣味がてらよく見て回っているのですが、多くの場合は忘れ去られていますが、似たような設定をよく見かける。(中略)私たちは気づいていないだけなのかもしれない。吉見家のミニ版や少し形を変えただけの話なんて、けっこうあるのかも……。」
というのは、実感でもあります。
ちなみに、私自身は霊などを信じているわけではないのですが、設定・状況が似ているケースというのが、現実の社会の中にもある。
とりあえず、純和風の「海からくるもの」は面白かったのですが、今回のは、それとはまた違った展開の様子。
ところで、穢れという感覚は、日本人にはとても強く残っている。
小説家で逆説の日本史シリーズを書いている井沢元彦さんは、よく「中年オヤジや、あるいは死人が使っていたハシやコップが、物理的に綺麗に殺菌されていたとしても、使うの嫌だろ?」的な説明により穢れを説明されたりするが、まさに、嫌だ。
この何となく感じる存在感-穢れという感覚は、私たち日本人に強く染み込んでいる。
正体不明の感覚、穢れ。
【浮き上がってきたある「土地」を巡る意外な真実】というのだから、その穢れが、恐らく土地に染み込んでいる?
いわゆる忌み地というやつか。
そういう土地は、けっこうあるものだ。
地方ではわからないが、私の住んでいる地域では、おそらく30年くらい前までは、忌み地を知っている人と言うのは割りといた、ようだ。それでも古老中心だろうが。
ところが、今ではそういったものを知っている人は、0ではないが、ほとんどいない。
恨みをもったものが死に、そこに住むものは長く続かない、であるとか、かつては死体置き場だった、とか、そういう土地が、やがて廃屋になり、地主が手放し切り売りされ、雑地になり、整備され、マンションになったりする。
私は神社めぐりが好きだが、先日いったところは、神社が取り壊され、戸建て住宅になっていた。そこがかつて神社であったこと、住民はしっているのだろうか?また、この住民が住んだ後に売られた場合、そこは旧神社の地ではなく、単なる旧住宅の地となる。こうなると告知義務もないかもしれない。
と話は脱線したが、小野さんの新作、非常に楽しみだ。
本屋でちらりと見たのだが、やはり分量はそれほど多くはなさそうだ。たっぷりと楽しみたい身としては、少し残念でもある。しかし2冊同時発売なのでいいか。
購入することは決まっている。
あとは、読む時間の確保である。
小野 不由美さんの新作ホラー小説、「残穢」と「鬼談百景 (幽BOOKS)」だ。
新作が2冊同時にリリース。
残穢が長編、鬼談百景が短編ということらしい。
小野 不由美さんといえばティーンズ小説出身だが、あなどるなかれ。筆量十分、とんでもない書き手だ。私はこの新作、まだ読んではいないのだが、小野 不由美さんに関しては信頼している作家の1人なので、レビューや評判を気にせず購読するつもりでいる。
小野 不由美さんといえばとんでもない長編が多いのだが、今回の残穢は、小野 不由美さんからすればそこまででもない。とはいえ五〇〇枚書き下ろし。
ちょっとあらすじを引用しよう。
<怨みを伴う死は「穢れ」となり、あらたな怪異の火種となるのか──。畳を擦る音が聞こえる、いるはずのない赤ん坊の泣き声がする、何かが床下を這い廻る気配がする。だからあの家には人が居着かない──何の変哲もないマンションで起きる怪奇現象を調べるうち、浮き上がってきたある「土地」を巡る意外な真実。>
穢れがテーマとは、日本的でいい。が、純和風というものでもなさそうだ。
純和風な展開でいえば、小野さんの以前の作、これが面白かった。
「ゴーストハント6 海からくるもの (幽BOOKS)」
<日本海を一望する能登半島で料亭を営む吉見家。この家は代替わりのたびに、必ず多くの死人を出すという。依頼者・吉見彰文の祖父が亡くなったとき、幼い姪・葉月の背中に不吉な戒名が浮かび上がった。>
“古い信仰が残る土地”で起こる怪異。私自身、この作品のレビューにも書いたのだが、
「本書で取り上げられているような素材(塚や信仰や歴史)は、日本各地に残っています。
私、趣味がてらよく見て回っているのですが、多くの場合は忘れ去られていますが、似たような設定をよく見かける。(中略)私たちは気づいていないだけなのかもしれない。吉見家のミニ版や少し形を変えただけの話なんて、けっこうあるのかも……。」
というのは、実感でもあります。
ちなみに、私自身は霊などを信じているわけではないのですが、設定・状況が似ているケースというのが、現実の社会の中にもある。
とりあえず、純和風の「海からくるもの」は面白かったのですが、今回のは、それとはまた違った展開の様子。
ところで、穢れという感覚は、日本人にはとても強く残っている。
小説家で逆説の日本史シリーズを書いている井沢元彦さんは、よく「中年オヤジや、あるいは死人が使っていたハシやコップが、物理的に綺麗に殺菌されていたとしても、使うの嫌だろ?」的な説明により穢れを説明されたりするが、まさに、嫌だ。
この何となく感じる存在感-穢れという感覚は、私たち日本人に強く染み込んでいる。
正体不明の感覚、穢れ。
【浮き上がってきたある「土地」を巡る意外な真実】というのだから、その穢れが、恐らく土地に染み込んでいる?
いわゆる忌み地というやつか。
そういう土地は、けっこうあるものだ。
地方ではわからないが、私の住んでいる地域では、おそらく30年くらい前までは、忌み地を知っている人と言うのは割りといた、ようだ。それでも古老中心だろうが。
ところが、今ではそういったものを知っている人は、0ではないが、ほとんどいない。
恨みをもったものが死に、そこに住むものは長く続かない、であるとか、かつては死体置き場だった、とか、そういう土地が、やがて廃屋になり、地主が手放し切り売りされ、雑地になり、整備され、マンションになったりする。
私は神社めぐりが好きだが、先日いったところは、神社が取り壊され、戸建て住宅になっていた。そこがかつて神社であったこと、住民はしっているのだろうか?また、この住民が住んだ後に売られた場合、そこは旧神社の地ではなく、単なる旧住宅の地となる。こうなると告知義務もないかもしれない。
と話は脱線したが、小野さんの新作、非常に楽しみだ。
本屋でちらりと見たのだが、やはり分量はそれほど多くはなさそうだ。たっぷりと楽しみたい身としては、少し残念でもある。しかし2冊同時発売なのでいいか。
購入することは決まっている。
あとは、読む時間の確保である。
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