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文化的ジェノサイドと23分間の奇跡 [これから日本の話をしよう!]

先ほど「世界に見られる、「盗まれた子ども」たち」という記事を書いた。

スペインでは道徳的な目的から、やがて金目当てに変わったらしいが、貧しい家・道徳的に問題があると見られた家がターゲットにされた。
アルゼンチンでは反対派を、オーストラリアでは先住民に対して行われ、それはある意味でジェノサイドに近い。民族に対する虐殺による抹消ではなく、ある特定のターゲットに対する文化的抹消行為だ。


これらの事件を見て、思い出した本がある。「23分間の奇跡 (集英社文庫)」だ。

23分間の奇跡 (集英社文庫)

23分間の奇跡 (集英社文庫)

  • 作者: ジェームズ・クラベル
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1988/07/20
  • メディア: 文庫


この本は、非常に恐ろしい本である。

ある学校に、新任の女性教師がやってくる。そこから23分間に起こった“奇跡”の話だ。そう、たった23分間の出来事。ページ数も少ない。おそらく、23分程度でゆっくりと読めるだろう。難しくもない。

美しいタイトルだが、しかし・・・。


あらすじを、アマゾンから引用しよう。
<「みなさん、おはよう。わたしが、きょうからみんなの先生ですよ」と新しい先生がいった。時間はちょうど9時だった。その女教師は“最初の授業”で、いったい何を教え、そして子供たちは、23分間でどう変わったのか―?自由とは、国家とは、教育とは何か、読者ひとりひとりに問題を提起する。>

ここで起こる奇跡とは何か。
それは子供たちの価値観がガラリと変えられてしまうことであり、このようなことが、もしかしたら我々に、或いは現在この地球上のどこかで行われているのではないか、と認識させられることである。

この本に対する印象、感想はリンク先のアマゾンレビュー(→23分間の奇跡 (集英社文庫))を参照していただきたいが、この本のポイントは、これを読んで、暗喩(メタファー)として捕らえ、自分の身の回りについて考えを及ぼせられるかどうかにあると思う。


まぁこの本で行われていることも、ある意味で文化的ジェノサイドといえると思う。


ところで、私は次のように思う。

じゃあ我々日本人が、日本的な文化を失ったらどうなるんだろうか?


浮世絵や金閣寺や東照宮など形のあるものだけではない。

かな文字であったり、おじぎであったり、お米と味噌汁であったり、桜が散る風景にものを思う気持ちであったり、そういうものも、日本人としての文化の範疇だ。


日本人って、何だろう?
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