SSブログ

義朝とアフリカ少年兵、そして大津事件へ [雑談]

視聴率の低空飛行が心配なNHK大河ドラマ「平清盛」だが、先日は清盛VS義朝だった。つまり平治の乱、平氏と源氏との、武士の頂上対決だ。これより、貴族、摂関政治・院政の時代から、やがて武士の時代へと突入していくわけだ。


さて、大河ドラマの話の展開は置いておいて、平治の乱の以前、清盛と義朝は、かつてともに戦った仲だった。

保元の乱というのがある。

後白河天皇方として、清盛と義朝が。

崇徳上皇方に、清盛の叔父である平忠正、そして義朝の父である源為義がついた。
つまり、平氏と源氏は、血のつながりがあるにも関わらず戦うはめになった。結果として後白河天皇方の勝利に終わるのだが、その後、義朝はとても残酷な目にあうことになる。

敵方についた父や幼い弟達の助命嘆願をするもかなわず、それどころか、なんと朝廷の命により、自らの手で父や幼い弟達を斬らされる事になるなるのだ。


お前の親父は謀反人だ。お前の手で斬れ-。


ひどいやり方だ。


昨年話題になった小説「ジェノサイド」のなかで、アフリカの少年兵の話がでてくる。武装勢力は村を襲い、唾棄すべき行動でありとあらゆるものを奪うのだが、奴らは村の子ども達の連れ去る。その連れ去るとき、子どもたちに、自分達の手で実の親を殺させるのだ。

そうして連れ去られた子ども達は、やがて精神を壊された殺人マシーンになってしまうのだが、このアフリカの少年兵問題は非常に根深い問題になっている。

まったくもって、ひどいやり方だ。

ジェノサイド

ジェノサイド

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/03/30
  • メディア: 単行本




さて、以上の例にひけをとらない、ひどりやり方があると思う。

それは、例の大津市のイジメ問題だ。



人の命を奪う方法というのは、何通りかある。

自分で自分の命を奪えば、自殺。

他人を刺して命を奪えば、他殺、つまり殺人。

では、殺人の範囲は、どこからどこまでがそうなのだろう?


明確に、死に追いやる行為がある限り、それは殺人ではないだろうか?

執拗な暴力、脅し、搾取、屈辱、精神的に追い込まれ、さらには自殺の練習までさせられているのだから、これは極めて用意周到な、「人の命を奪うプログラム」であると思う。


直接手を下さず、人の命を奪いなさい-。

こんなお題があったとしたら、大津の事件は手際よく、それを実行していることになる。

そう、これはイジメではない。
殺人でもない。

殺人を超える、残酷な犯罪である。


奴らは恐らく、被害少年を3度殺した。
1度目は執拗な暴力と屈辱とで、心を。
2度目は、自殺への道筋をつけて、体を破壊した。
3度目は、死後、その行動により、彼の思いと伝えたかったものと、守りたかったものと、その残りの全てを台無しにした。


さらに事件後、加害者一味だけでなく、学校や教育委員会も参加して、罪悪感に苦しむ生徒に、何重もの形で深い傷跡をつけ、大津市という地名に汚名を加えた。



思うのだが、いじめという言葉は、その実態を隠すフィルターになっているのではないか。いじめを受けた芸能人たちが言っているように、いじめを受けた側は、一生その傷を背負って生きていくことになる。
(中川翔子さんのブログや、テレビでの内藤大助さんの発言など)

一生残る傷で、場合によってはその場で死んでいたかもしれない・・・これが精神的なものでなく外傷であるとすれば、重傷重体になるくらいのとんでもない大怪我だ。

時に、無謀な通り魔事件などを起こした犯人が、じつは過去、イジメをうけていたということがある。一概には言えないと思うが、彼を通り魔事件を起こすほどの歪んだ人格に育ててしまった1つの原因に、イジメがあるのだとしたら、その被害の何分の1かはイジメ加害者に責任があるのではないだろうか。



朝廷が義朝に命じた、処刑。
少年兵を生み出す、プロセス。

大津の犯罪は、大げさかもしれないが、それらを内包しているように思える。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。