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今だから読む。富士山噴火と災害復興の物語。 [これから日本の話をしよう!]

手抜き汚染という問題が勃発している。
私たち国民の血税から、数千億という大きな資金を投入して行われている除染事業。大手のゼネコンから2次3次4次5次と気が遠くなるほどの下請けが入り、最終的に除染はまともに行われず・・・という結果だ。


私はこれを見て、1冊の本を思い出した。
そしてこの本は、できるだけ多くの日本国民に読んで欲しいと、切に願った。
怒る富士〈上〉 (文春文庫)

怒る富士〈上〉 (文春文庫)

  • 作者: 新田 次郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/09/04
  • メディア: 文庫


この「怒る富士〈上〉 (文春文庫)」という小説は、江戸時代が舞台である。最後の富士山の噴火、宝永の大噴火による災害がメインテーマとなる。そこで繰り広げられる権力者たちの振る舞いは、先の原発&東日本大震災の復興の姿と、とてもよく重なる。

この小説には人間が描かれている。硬直してお役所的になってしまった、日本人のダメな側面が描かれている。


この小説は上下巻に分かれていて、もちろん時代小説という体裁だ。時代小説というのは、普段読まない人にとって少し敷居が高い。面白いのだろうかと心配に思うかもしれない。表紙の画像を見て、古臭そうと感じるかもしれない。

大丈夫。
この本は、純粋に面白い。時代小説への慣れは関係なく読める。でありながら、時代小説ファンも大満足できる作品であると思う。

本書を読むべき理由、おすすめの理由を3つ紹介しよう。


1.来たるべく富士山噴火に備える
多くの人が、富士山の噴火について正しくイメージできていないと思う。桜島や、少し前の三宅島の噴火をイメージしているかもしれない。しかし、まったく違う。噴火の規模が違うのだ。宝永の噴火と同じ規模の噴火が、今この日本を襲ったとしたら、この国はあまりに大きなダメージを受けることになる。時代が変わる。この小説を読めば、それがイメージできる。原発除染の体たらくを見るに、富士山噴火の後の復興は、遅々として進まないものと推測できる。
近いうちに来ると言われている富士山の噴火。そして本書は古い資料をもとに噴火の様子が描かれている。備えるためにも、読んでおくべきだと思う。


2.今と変わらない利権や政治活動
この小説を読めば、きっとこう感じるはずだ。
「あれ?デジャブ(既視感)??」
富士山噴火の後の復興が遅々として進まない。災害を政治に利用し、私利私欲に走る政治家。そう、今起こっている問題そのものが、この小説に書かれている。この小説を読むことによって、今の問題がより鮮明に映るはずだ。
そして、部分的には、非常に残念なことに、今の方が江戸時代より遅れている。


3.人が、人生が書かれている
純粋に面白い小説だと思う。仕事の進め方、リーダーシップのあり方、男女関係の難しさ、人生の勝機のつかみ方、あるいは転落の様。色々な人間が描かれていて、それが面白い。


できるだけ多くの人に読んで欲しい本だ。
読む価値のある本だ。

いや、日本人であれば、読むべき本だと思う。
今こそ。今だからこそ。切に願う。
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