中国と、ひっくり返ることについて [これから日本の話をしよう!]
昨日のブログ(ジェノサイド)で南京大虐殺について触れたが、このところ河村たかし名古屋市長の「南京発言」が話題になっている。
「一般的な戦闘行為はあったが、南京事件というのはなかったのではないか」
というもので、私は発言の仕方、タイミングなど全ての部分に疑問を持っているが、しかし発言の内容については河村市長に一理あり、と思っている。
もう少し言うと、“まったくなかった”でも“完全にあった”でも、そのどちらでもなく、中間なんじゃないか、と思っている。どちらかに寄っている可能性はあると思うが、そうすると私の考えというのは「南京大虐殺はなかった」ということになるのだろうか?
しかし、なぜ河村市長はこのタイミングで、この人たちにそんな発言をしたのだろう?勝算や狙いがあっての発言なのだろうか?それとも、常々思っていたことを言ってしまっただけなのだろうか?
さておき、中国ではネットでの反発が高まっているらしい。
引用「中国版ツイッター「微博」の南京市政府公式アカウントに「訪日団は弱腰だ」などの批判が殺到。発言のあとに訪問団が河村市長とプレゼントを交換している写真が出回り「反論もしないでほほえんでいる」と書き込まれた。 」
お国に不満を持っているとき、その不満をそのままぶつけると、弾圧される恐れがある。
しかしそんな時、弾圧されない「お国批判」の方法がある。
そう、記事中にあるような「弱腰じゃねーか、しっかりしろ!」という種類の批判だ。
與那覇氏の本にも書かれていたが、我々にとって一番嫌なパターンというのは、現中国政権(共産党)が倒れて、対外的に強気に出ろと批判している民衆に圧倒的に支持された、新たな指導者が現われることだ。
戦前の日本にも同じような空気があったらしい。
マスコミや一般人のほうが対外的に強硬派であり、政権の弱腰を批判していたという。まさかその後、あの泥沼の戦争に巻き込まれるなんて思ってもみなかったと思う。
伊坂幸太郎さんという人気作家の小説に、圧倒的に指示を得た政治家にしても、それは大きな時代の流れ(システム?国?)の中の駒にすぎないのではないか、という表現があったと思う(たぶん)。
本当に、これからの日本というのは、よほど巧みに立ち回らないと危ないと思う。
アメリカと覇権を争う(かもしれない)中国が目と鼻の先にあり、ロシアというただならぬ存在が北にあり、仲のよろしくない韓国という隣人と、不安定な北朝鮮という国に囲まれている。比較的友好的な台湾にも、最近は政治上の変化が現われていたりもする。
まるでオセロのように、色々なものがひっくり返り、戦局がガラリと変わっていくかもしれない。
戦前の轍は踏まないで欲しい。
戦うにしても避けるにしても、武器も方法も戦略も、以前とはまったく違う方法で、巧みに・・・。
日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)
- 作者: 山本 七平
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- 発売日: 2004/03/10
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2012-02-23 12:45
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