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苦しみを再現する [これから日本の話をしよう!]

いつだったか、どこかの町のイベントで、大名行列を再現するイベントというのがあった。きっと大きな街道でもあり、その町では江戸時代には大名行列でもあったのだろう。


しかし・・・。


かつてその町に住んでいた人たちは、大名行列をどう思っていたのだろう。
宿場町であれば経済が潤ったかもしれない。

しかし、大変なのは周辺の農民たちだ。


かつて助郷(すけごう)という制度があたった。

「幕府は各街道筋に宿駅を設けて、公用の旅行者や荷物を宿駅から宿駅へと送る伝馬制度を敷き、これに必要な人手や馬を常備することを各宿駅に義務付けた。」(目黒区:街道筋の助郷制度

荷物を運ぶことを役割とされ、人や馬を用意しなければならないのだ。



「宿駅常備の人手や馬で足りなくなると定助郷(すけごう)にお触れを出して応援を頼み、それでも不足の場合や大名行列が通るときに大助郷(すけごう)を頼んだ」


つまり、手が足りなくなれば応援を呼ばねばならない。それで周辺の農民達が駆り出されるわけだ。


「助郷(すけごう)役には報酬として賃銭が支払われたが通常賃銭の半分くらいにしかならず、遠い村から往復に1日2日かかってもその分は無償であった。」

ようするに割りにあわない仕事だったというわけだ。
で、失礼があれば何があるかわからない。下手すれば切られることだってあるかもしれない。


だから、思うのである。


大名行列の再現なんて・・・あんたらのご先祖さまはさぞ苦い顔をしているだろうよ、と。


再現するならその町のかつての祭りや風俗を再現すればいいだろうに。


人は思い出を美化するとはいうが、町単位になると、自分たちの先祖を苦しめていたかもしれないものにたいして「いや~、これぞ伝統文化。風流だね~」なんて言ってしまうものなのだろうか。


もし将来、
「かつて平成時代には節電という風習があったらしい。ということで節電イベントでもしようぜ」
とか言われたらどうだろうか。


あ、別にかまわないか・・・。
タグ:大名行列
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