人の裏表 [雑談]
先日このブログでも紹介(名誉と幸せの尺度)した実験が、少し詳しく紹介されていた。
格差社会に対する反発というニーズにうまく沿った実験結果だったようだ。
しかし、この記事の最後のほうにはこう書かれている。
~だが、論文は、慈善活動を行っている億万長者、ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏やウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏などの例外が存在することも指摘する。また、貧困と凶悪犯罪の関連性を示した以前の研究は、貧しい人が必ずしもお金持ちより倫理観が高いわけではないことを示している。~
私は以前、割と富裕層と言われる人たちと関わっていた時期がある。
高収入とかヒルズ族とか、そういうのではなく、昔からの資産家というやつで、資産も多いが、出るものも多い。大金持ちなのだろうが、イメージするよりは質素な生活だ。
私の狭い範囲での経験だが、これらの人の人柄は非常に良かった。
品もある。
成功する人や名声のある人というのは、人間ができているのだな、と感じたものだ。
要するに、いい人がいれば悪い人もいる。
お金持ちだろうが貧乏だろうがかわらない。
貧乏な人でも、欲がなく質素な生活をしている人と、働く気がなくパチンコ三昧で貧乏な人では意味が違う。
金持ちな人でも、顧客も従業員も幸せになれるよう地道に頑張っている経営者と、従業員を過労死させていながら政治家にもなろうというような野心のある経営者では、やはり意味が違う。
そうだ、思い出したことがある。
戦時中の手記をもとに、日本の敗因を検証した本だ。
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日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)
- 作者: 山本 七平
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2004/03/10
- メディア: 新書
東南アジアにおいて敗戦により捕らえられた日本兵達。
そこに収容された小松氏の手記をもとにしている。
「人間の社会では、平時は金と名誉と女の三つを中心に総てが動いている。それらを得るために人を押しのけて我先にとかぶりついて行く。ただ、教養や色々の条件で体裁よくやっているだけだ。」
「平時にあっても金も名誉も女も不要な人は、人望のある偉い人である。偽善者や利口者やニセ政治家はこのまねをするだけだ。世渡りの上手な人はボロを出さずに、このこつを心得ている。」
「負け戦で皆が植えている時、部下に食物を分かち与える人、これは千人に一人いるかいないかだ。」
平時であれば、人はそれなりに振舞えられる。
人の本性は、いつだって試練に直面したときに現われる。
成功して裕福な状況になって、余裕のある状態で出される発言と、実際の姿は異なるのだろう。
ところで本書。
これは必読の書だと思う。
今だからこそ。
この本についてはまた再度ふれたいと思う。
日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)
- 作者: 山本 七平
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2004/03/10
- メディア: 新書
タグ:日本はなぜ敗れるのか
2012-03-01 12:50
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