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お前の名前と、魂を売るのか? [これから日本の話をしよう!]

財政難にあえぐ大阪府泉佐野市が、市の名前を売るという・・・まさしく売名行為!!



・・・じゃなくて(何人が同じことを言ったのだろう?)、ネーミングライツ(命名権)の導入を検討しているというもので、まだ検討段階。おそらく市民の反対で実現しないでしょう。そりゃそうだ。泉佐野市民は、そんなに馬鹿じゃないでしょう。期待していますよ!?


ネーミングライツとは、市の名称に企業名や商品名をかぶせること。スタジアムなどでは聞いたことがあるが、市の名称というから驚きだ。


コーポラティズムという言葉をご存知だろうか?
政府の経済政策に企業や労働組合を参加させるというもの。
私はこの言葉、まったく知らなかったのだが、この本を読んで知った。

政府は必ず嘘をつく  アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること  角川SSC新書

政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること 角川SSC新書

  • 作者: 堤 未果
  • 出版社/メーカー: 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/02/10
  • メディア: 新書



本書を読むと、私たちがいかに脚色されたニュースを与えられているのか、それがわかる。ウォール街の格差反対デモ「99%VS1%」の意味がようやくわかったし、私たちがIAEAやWHO、IMFなどの国際機関に対して抱いているイメージが幻想に過ぎないことも教えられた。リビアやシリア、中東に関するニュースも、今後は見方が変わってくる。
3.11の震災とそれに続く原発事故。そのときの原子力ムラを中心に繰り広げられた違和感だらけの対応を、すでに私たちは(私だけか?)忘れかけていたのだと実感できる。

著者の言うことを100%信じるわけでなく、「あなたの言うことも、ちゃんと裏づけが提示されていないじゃないか」と感じるところはあるのだが、本書を読むことで、流されてくるニュースの裏を読む、という意識は相当高まるはずだ。


と話は脱線してしまったが、市の名称を企業に売るなんて、まったく考えられない。今はいい。しかし、例えば早送りをするように未来へとコマを進めると、そこには企業が市政に大きな影響力を持つ歪んだ構図が育っているはずだ。

名前の持つ意味を何と考えているのだろう。

そのうち個々人の名前まで売られるんじゃないか。と書いたところで思い出した。そんな小説があった。これだ。

鼻 (角川ホラー文庫)

鼻 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 曽根 圭介
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 文庫



日本ホラー小説賞をとった短編集なのだが、そのなかに「暴落」という話がある。

証券市場では企業の株が毎日売り買いされ、値段が変動しているが、その株価が企業ではなく人につけられた世界が書かれている。いい友人を持っていると株価があがるし(提携)、悪い行いをすると株価が下がる(不祥事)。いい相手と結婚すると株価があがる(合併)。主人公は原因不明の、自分の株価下落に悩まされるのだが、それがやがてタイトル通り「暴落」へと繋がり・・・。

この世界のなかで、名前を売ってしまう男の話があった。わざと名前を呼ばれるところ(病院など)に行き、名前を読んでもらうのだ。

馬鹿馬鹿しい。
小説自体はとても面白いが、そう、馬鹿馬鹿しいお話だ。名前を売るなんて。


名前と言うのは、誇りを持つべきものだ。仮に現状誇りをもてなかったとしても、誇りを持てるという希望がなければ駄目だ。


くだんの男は、名前ばかりでなく、やがて体(臓器とか)も売ることになる。


馬鹿馬鹿しい話だ。名前だけでなく身体も売るなんて。魂も売るのだろうか?


泉佐野市さん。そういう話ですよ?
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