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群馬県の入れ墨調査に見る、ずるい人間のごまかし方 [雑談]

権力者は、ずるい人が多い。

伊坂幸太郎さんの、確か「魔王 (講談社文庫)」に、そんなことが書いてあったと思う。

権力者、お金持ち、地位の高い人、頭のいい人。
こういった人たちは自分の都合のいいように物事を変えていく。


小さな出来事だが、それを彷彿とさせるような「THE・ズル」的な話題を見つけた。

群馬県知事の定例の記者会見で、刺青職員はゼロだったと発表したという。
こんなやりとりがあったらしい。


知事 「前回、話題に挙がりました入れ墨の問題。調査した結果、そういう職員はおりませんでしたので、そのことを報告させていただきます。」

記者  「先ほどの入れ墨の関係なのですが、この調査はどこまでの範囲でどういう手法で行ったのでしょうか。」

知事 「総務部長から(説明します)。」

総務部長 「各部局の次長を通じて、各所属に対して調査をしまして、報告を求めました。その結果、無いということです。」

記者 「出先(機関)の方も含めて。」

総務部長 「出先機関も含めてです。」

記者 「無かったということですが、感想は。」

知事 「当然(の結果)であったと思います。群馬県は意外と入れ墨はそれほど・・・。記者さんはしてますか。」

一同笑い


・・・
・第8回定例記者会見要旨(7月4日)


ところが、読売新聞に、
苦情「ゼロ」で入れ墨職員「いない」とした知事
という記事があり、ここで具体的な調査の方法が紹介されている。

それによると、
<個々の職員が入れ墨を施しているかどうかを尋ねるのではなく、「2011年度から現在までに、職員が入れ墨を入れていることが原因で、県民などに不快な思いをさせたり、苦情が寄せられたりしたことがあったかどうか」を尋ねた。その結果該当例は無かった>

何だ、そりゃあ・・・。
調べる気なんて毛頭なく、「いかに入れ墨職員ゼロという結果を出すか」その結論ありきの調査じゃないか。

入れ墨している人間を調べることについて、賛否があるのは置いておいて、群馬県は、入れ墨調査という話題に乗っかりつつも問題になりそうな摩擦は避け、いい結果だけを取ろうとしているようにしか見えない。


しかし、残念なことに、このような「先に結果ありき」の調査というのは、大手マスメディアの調査・アンケートでも、結構あるらしい。

例えば、
「あなたは消費税増税に賛成ですか、反対ですか?」
とは聞かずに、
「民主党がマニフェストを反故にして消費税増税することに様々な批判が出ていますが、あなたはこのような一方的な消費税増税に賛成できますか?それとも反対ですか?」
と聞くようなものだ。


群馬県が調べたことはいったいなんだったのか。
入れ墨をしている職員を調べているようには見えない。
職員が入れ墨をすることによって市民とトラブルが発生しているかどうかを調べているわけでもない。

この調査に、いったい何の意味があるのかわからない。


ただ1つ、わかっていることがある。
ずるい人間は信用できない。
魔王 (講談社文庫)

魔王 (講談社文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/09/12
  • メディア: 文庫



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