SSブログ

流通ジャーナリスト金子さんに学ぶ、死との向き合い方 [雑談]

昨日、「生きることと死ぬことと」というテーマでブログを書いたのだが、そのあと、流通ジャーナリストの金子哲雄さんの訃報が入ってきた。まだ若かったので、驚きだ。肺カルチノイドという聞きなれない病名だが、どうやら肺がんの一種らしい。

金子さんは亡くなる直前まで、周囲に病気をふせて仕事を続けてきたという。そこにどんな思いがあったのか、私には想像することしかできないが、何がしかの強い意思がなければ、病気を押して仕事なんてできないでしょう。

ニュースによると、金子さんはお墓やお通夜の準備など、自分の死後の準備まで行っていたらしい。独特の経済感覚に基づいて自ら選定したのだろうけれど、私はこれは、遺族想いの優しい行動だと思う。私も大事な家族を亡くした経験があるが、その時は、ショックで色々考えられない状況ながらに葬儀の準備に追われ、このような葬儀で良かったのか、あのお墓は亡くなった家族が喜んでくれるようなものだったのか、散々に色々と迷い、時には後悔したりもした。

一家の大黒柱として最後まで働き、自分の死後まで綺麗にまとめあげる。大したものだ。

金子さんの書籍は、私は2冊だけ持っている。
超三流主義」と「お金をかけない人ほど、新しい仕事はうまくいく―背伸びしない、ビジネスの立ち上げ方」だ。

超三流主義は、たぶん金子さんの本では一番話題になった本じゃないかと思うのだが、三流の貧乏でもゴージャスな暮らしを楽しむという観点で、色々な面白い方法を紹介している。パンツなんてどうせ見えないのだし、と夫婦で夫のパンツを共有するというような、人によっては引いてしまうような内容も書かれていて、アマゾンのレビューを見ると低かったりもするが、私はとても面白い内容だと楽しんでいた。好き嫌いはあるかもしれないが、おすすめである。

超三流主義

超三流主義

  • 作者: 金子 哲雄
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2009/08/07
  • メディア: 単行本



「お金をかけないほど・・・」は、ビジネス立ち上げに関する本なので、一般の節約術とは異なる。これも金子さんらしい独特の観点から書かれた本で、この種の本は何冊か読んでいるが、結構参考にさせてもらった。独立しよう、と考えていない人でも、この本には金子さん自身のコンサルとしてのストーリーが読めるので、面白いのではないかと思う。

お金をかけない人ほど、新しい仕事はうまくいく―背伸びしない、ビジネスの立ち上げ方

お金をかけない人ほど、新しい仕事はうまくいく―背伸びしない、ビジネスの立ち上げ方

  • 作者: 金子 哲雄
  • 出版社/メーカー: 同友館
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 単行本



上の2冊はどちらも非常に面白い本で、機会があれば書評・レビューとして再度取り上げたい。

それにしても、つい最近、本屋で新刊も目にしていた。

「持たない」ビジネス 儲けのカラクリ (角川oneテーマ21)

「持たない」ビジネス 儲けのカラクリ (角川oneテーマ21)

  • 作者: 金子 哲雄
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/09/10
  • メディア: 新書


まさかこんなことになるとは、思いもよらなかった。

こんなに若くして、との思いが消えない。
いつどうなるかなんて、本当にわからないものだ。
明日は我が身かもしれないのだから・・・。

空海の言葉を思い出した。

生まれ生まれ生まれ生まれて、生の始めに暗く、

死に死に死に死んで、死の終わりに冥し。


生の始まりも、死の終わりも、私たちは解っていない。

そんな暗闇のような中で私たちは生きているわけだが、生きているという実感のある今、後悔のないようしっかりと生きていきたい。

金子さんの最後は本当に立派だと思う。
金子さんが死の2週間前に送ったというメール、なんだか胸に来る。

「そろそろ人生のカウントダウンをしているような気がします。とにかく今、抱えていることをちゃんと仕上げて、立派な千秋楽を迎えようと思います」


残されたご家族は、さぞかしお辛いだろう。色々と大変だと思うが、金子さんのぶんも楽しめるようこれからを前向きに生きて欲しい。
お悔やみを申し上げるとともに、金子さんのご冥福を、心からお祈り申し上げます。
合掌。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。