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悪魔祓いの専門誌と、日本の闇の検証 [これから日本の話をしよう!]

ポーランドで、「悪魔払い」専門誌が創刊された。オカルトブームに警鐘を鳴らすのが目的で、カトリックの神父が全面協力しているという。発行部数は15,000部というから、きっと売り切れているだろう。

日本でも時折、「悪魔祓い」を聞くことがある。といっても私が耳にするのは事件であり、除霊の儀式で死んでしまった等の、なんともやるせない話ばかりだが。


悪魔か・・・。


エクソシストの映画を初めて見たときは衝撃的だった。あの少女の変わりよう・・・。すごく怖い。

欧米の悪魔・悪霊は、怖い。日本の妖怪などと比べてどうだろう。日本の有名な妖怪として、ぬらりひょんや小豆洗いなどがいる。彼らは、居間でお茶をすすったり、海から出てきてびっくりさせたり、アズキを洗ったりしている。これのどこが怖いのだろうか!?最近は日本の悪霊として貞子などが奮闘しているが、妖怪はあまり怖くない。むしろ愛らしい。

大接近!妖怪図鑑

大接近!妖怪図鑑

  • 作者: 軽部 武宏
  • 出版社/メーカー: あかね書房
  • 発売日: 2012/06
  • メディア: 大型本


日本の妖怪の場合、あくまで1つの見方ではあるが、大和朝廷に負けた人々が、妖怪にされたとの説もある。鬼や、土蜘蛛や、河童などがそれに該当する。侵略され、抵抗し、破れた者たち。あるいは逃げ隠れた者たち。であるならば、妖怪たちは、もしかしたら私たちに近づきたいのかもしれない。しかし、私たちは「鬼は外」といって、彼らに豆をぶつけるものだから、私たちの距離は永久に近づかない。

鬼の日本史 上―福は内、鬼は外?

鬼の日本史 上―福は内、鬼は外?

  • 作者: 沢 史生
  • 出版社/メーカー: 彩流社
  • 発売日: 1990/06
  • メディア: ハードカバー


いや、対比の選定が悪かったか。
エクソシストの悪魔と比べるのなら、日本なら狐憑きだろうか?

それとも怨霊か。日本の大怨霊といえば、例えば菅原道真や平将門がいるが、彼らは首だけで飛んだり、雷鳴を轟かしたりと、とかく荒々しいが、どうしても私は彼らを悪人とは思えないでいる。日本の三大怨霊は、この2人に加えて崇徳上皇が入るが、いずれにしても祟る相手は朝廷だった。

そうそう、ちょっと関係ない話を。怨霊、平将門で思い出したのだが、むか~し図書館で偶然読んだ本に、「闇の検証」という本がある。霊能者が心霊スポットのような場所を歩いて回り、歴史の闇の謎をとくような話だったと記憶している。

私が読んだのは平将門に関係する部分で、その霊能者曰く、将門の怨念のようなものは感じないとのことだった。だからどうしたと言われるかもしれないが、このブログには「残穢」の検索で来る人も多いようなので、そういった人には興味が合うかもしれない。一応、紹介しておく。ちなみに「闇の検証」は最近再発売されたようだ。

闇の検証 第四巻: 江戸・東京都市伝説/パワースポット編 (霊能者・寺尾玲子の新都市伝説)

闇の検証 第四巻: 江戸・東京都市伝説/パワースポット編 (霊能者・寺尾玲子の新都市伝説)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2012/03/16
  • メディア: コミック



残穢

残穢

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/07/20
  • メディア: 単行本


大怨霊も妖怪も、朝廷の敵だったとすると、では、庶民にとって本当に怖い死者とはなんだろう?
ヤマンバなどの妖怪の類か?それともお岩さんなどの幽霊の類か?

まぁそれらも庶民にとって十分怖いとは思うが、私的に強烈だなぁと思うのは、カミの生贄のケースだろうか。生贄伝承の中には、結構生々しいものがある。しかし、実際の話、カミへのイケニエは民俗学の中で否定されることも多々あり、実証性に乏しい。(今まで妖怪だ怨霊だ言っておいて実証性も糞もないのだが)

ありきたりの結論になってしまうが、やはり人間が一番怖い。
イケニエにしても、さばくのは人である。また、生贄の伝承を持った祭りの行事として、かつては旅人や村人を襲うなど、相当荒々しいことをやっていた事例もあり、それもやはり人間だ。
カミへの生贄の実在性は何とも言えないが、人柱などは色々なところで見つかっている。
また、怨霊や妖怪、お岩さんなどの幽霊を作り出したのも、やはり人の悪行によるところが大きい。


最近、「原発の危険性と比べたらタバコの方が遥かに有害だ」という主張をよく耳にする。それと同じ理屈で言えば、「悪魔や悪霊、祟りの害と比べたら、人間の害の方が遥かに有害」ということになるのかもしれない。
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