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日本人にしか分からない行動原理 [これから日本の話をしよう!]


年末ジャンボ宝くじが発売された。2012年の今年は1等前後賞あわせて6億円だという。1等が4億円、前後が各1億円。人生を2回楽しめる、大金である。

発売日の今日(26日)、宝くじの聖地といわれる銀座や有楽町では、さっそく大行列ができたようだ。有楽町マリオン前では3時間待ちだという。多くの会社はこの辺が給料日だろうから、そのうちの何割かを早速吸い上げる。

有楽町や銀座に列ができるのは、過去、その売り場で大当たりが何度も出ているからだ。しかし、確率論で考えれば、この売り場に並ぶのは不毛である。なぜなら、当たりが出ているのは、それだけ売れているからだと思えるからだ。買う場所なんて関係ない。売れている枚数が多ければ、それだけ当たりが出る可能性が高いし、それだけ売れていれば、競争率(?)もその分、高い。


しかし、“当たりが出ると言われている”売り場に、並びたくなる気持ちもわかる。


日本人はとかく、ゲンを担ぐ。井沢元彦さんのいうところの、言霊と同じだ。
明日飛行機で旅行に出るという人に、「飛行機が落なければいいですね」とは冗談としても言えない。普通に考えれば、1人の人間が言った言葉が現実になるなんて、あるわけがない。しかし、言葉に出すこと自体をさける。縁起でもない、というやつだ。

室寿ぎ(むろほぎ)というのがある。
新築の家を、言葉で褒めることだ。これはマナーとも言えるかもしれない。
このような言葉のゲン担ぎは、結婚式での祝儀の札数、禁句、受験時期での禁句など、色々なところで見かけることがある。


以前、何かのコラムで読んだのだが、
某宅を訪問したとき、営業マンがいて、その営業マンが当家の子供を「素晴らしいお子さんですね~」と褒めていいた。それを見て、そんな媚びているような人は信用できない、と感じた・・・
そんなことが書かれていた。確かにその営業マンは売らんがために大げさに物をいったのかもしれない。しかし、大げさにものを褒めること自体、悪いことではない。


今の時代は自分に関心が行き過ぎているがために、褒められても、それが本心かどうかが気になるのかもしれない。

そんなの、本心でいったら大したことのない小さな人ばかりですよ。

大げさに褒めるのは、縁起のいい言葉を並べるのと同時に、そうなって欲しいとの期待もあるのだろうと思う。

言う人によって、印象が変わるかもしれない。田舎の年老いたお婆ちゃんが、久しぶりに顔を見せた孫に「ずいぶんと、立派になって」と言えば、孫としても背筋を伸ばしたくなるだろう。


ゲン担ぎはロジカルに考えれば、不毛な行為であり、時間の無駄でもある。

しかし、日本人であれば、ゲンを担ぎたくなるだろう気持ちはわかる。
考えてみれば無駄だと思うし、自分はそんなことはしないかもしれない。しかし、気持ちはわかる。

でも、もしかしたら、そう遠くない将来、そんな気持ちはまったくわからない、という日本人が出てくるか、或いは多数派になるかもしれない。

日本人であれば理解できた小さな風習、他の外国人などには理解できない行動や考え方。

もしそんな世の中を、私が見ることができたとしたら、改めて“日本人であるとは何だろう”と考えるだろう。
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