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悪魔祓いの専門誌と、日本の闇の検証 [これから日本の話をしよう!]

ポーランドで、「悪魔払い」専門誌が創刊された。オカルトブームに警鐘を鳴らすのが目的で、カトリックの神父が全面協力しているという。発行部数は15,000部というから、きっと売り切れているだろう。

日本でも時折、「悪魔祓い」を聞くことがある。といっても私が耳にするのは事件であり、除霊の儀式で死んでしまった等の、なんともやるせない話ばかりだが。


悪魔か・・・。


エクソシストの映画を初めて見たときは衝撃的だった。あの少女の変わりよう・・・。すごく怖い。

欧米の悪魔・悪霊は、怖い。日本の妖怪などと比べてどうだろう。日本の有名な妖怪として、ぬらりひょんや小豆洗いなどがいる。彼らは、居間でお茶をすすったり、海から出てきてびっくりさせたり、アズキを洗ったりしている。これのどこが怖いのだろうか!?最近は日本の悪霊として貞子などが奮闘しているが、妖怪はあまり怖くない。むしろ愛らしい。

大接近!妖怪図鑑

大接近!妖怪図鑑

  • 作者: 軽部 武宏
  • 出版社/メーカー: あかね書房
  • 発売日: 2012/06
  • メディア: 大型本


日本の妖怪の場合、あくまで1つの見方ではあるが、大和朝廷に負けた人々が、妖怪にされたとの説もある。鬼や、土蜘蛛や、河童などがそれに該当する。侵略され、抵抗し、破れた者たち。あるいは逃げ隠れた者たち。であるならば、妖怪たちは、もしかしたら私たちに近づきたいのかもしれない。しかし、私たちは「鬼は外」といって、彼らに豆をぶつけるものだから、私たちの距離は永久に近づかない。

鬼の日本史 上―福は内、鬼は外?

鬼の日本史 上―福は内、鬼は外?

  • 作者: 沢 史生
  • 出版社/メーカー: 彩流社
  • 発売日: 1990/06
  • メディア: ハードカバー


いや、対比の選定が悪かったか。
エクソシストの悪魔と比べるのなら、日本なら狐憑きだろうか?

それとも怨霊か。日本の大怨霊といえば、例えば菅原道真や平将門がいるが、彼らは首だけで飛んだり、雷鳴を轟かしたりと、とかく荒々しいが、どうしても私は彼らを悪人とは思えないでいる。日本の三大怨霊は、この2人に加えて崇徳上皇が入るが、いずれにしても祟る相手は朝廷だった。

そうそう、ちょっと関係ない話を。怨霊、平将門で思い出したのだが、むか~し図書館で偶然読んだ本に、「闇の検証」という本がある。霊能者が心霊スポットのような場所を歩いて回り、歴史の闇の謎をとくような話だったと記憶している。

私が読んだのは平将門に関係する部分で、その霊能者曰く、将門の怨念のようなものは感じないとのことだった。だからどうしたと言われるかもしれないが、このブログには「残穢」の検索で来る人も多いようなので、そういった人には興味が合うかもしれない。一応、紹介しておく。ちなみに「闇の検証」は最近再発売されたようだ。

闇の検証 第四巻: 江戸・東京都市伝説/パワースポット編 (霊能者・寺尾玲子の新都市伝説)

闇の検証 第四巻: 江戸・東京都市伝説/パワースポット編 (霊能者・寺尾玲子の新都市伝説)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2012/03/16
  • メディア: コミック



残穢

残穢

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/07/20
  • メディア: 単行本


大怨霊も妖怪も、朝廷の敵だったとすると、では、庶民にとって本当に怖い死者とはなんだろう?
ヤマンバなどの妖怪の類か?それともお岩さんなどの幽霊の類か?

まぁそれらも庶民にとって十分怖いとは思うが、私的に強烈だなぁと思うのは、カミの生贄のケースだろうか。生贄伝承の中には、結構生々しいものがある。しかし、実際の話、カミへのイケニエは民俗学の中で否定されることも多々あり、実証性に乏しい。(今まで妖怪だ怨霊だ言っておいて実証性も糞もないのだが)

ありきたりの結論になってしまうが、やはり人間が一番怖い。
イケニエにしても、さばくのは人である。また、生贄の伝承を持った祭りの行事として、かつては旅人や村人を襲うなど、相当荒々しいことをやっていた事例もあり、それもやはり人間だ。
カミへの生贄の実在性は何とも言えないが、人柱などは色々なところで見つかっている。
また、怨霊や妖怪、お岩さんなどの幽霊を作り出したのも、やはり人の悪行によるところが大きい。


最近、「原発の危険性と比べたらタバコの方が遥かに有害だ」という主張をよく耳にする。それと同じ理屈で言えば、「悪魔や悪霊、祟りの害と比べたら、人間の害の方が遥かに有害」ということになるのかもしれない。
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暴力の支配・・・メキシコの刑務所と通底する、日本人の負の下地 [これから日本の話をしよう!]


最近話題の書「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」では、未来の世界では複数の高度なスキルを、連続して習得することが必要と説き、そのためにはよい人材の集まるギルド・コミュニティに属する必要があると指摘している。

冒頭の記事にあるメキシコの刑務所は、さしずめ、犯罪者のプロを目指すに最高のコミュニティと言えるだろう。

メキシコの治安の悪さは、絶望的な感じがする。無法地帯だ。


文化というのは積み重ねだと思っている。
例えば日本が、世界の東の果てから、歴史上まれにみるスピードで、急激に世界史の表舞台に立てたのは、それなりの蓄積があったためだと思う。中世のころから百姓は自力で様々な商売を行い、その経済活動の過程で、識字率や計算能力を高めていった、という指摘もある。
そういった素地が、明治以後や戦後の急成長にかかせない要素だったのではないかと思う。

良い文化も、悪い文化も、積み重ねだ。


日本は勤勉で能力が高く、モラルもあり、成長できる素地を積み重ねた。


しかしながら、戦中・終戦直後の状況について書かれた“ある本”を読むと、日本のこの安定さは、実はとても脆いのではないかと感じる。

地震でも暴動略奪が起きず、礼儀正しいと言われる日本。

しかし、私たちの持つ秩序は、ひどく脆い・・・かもしれない。
この本を読むとそう感じる。

日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)

日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)

  • 作者: 山本 七平
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2004/03/10
  • メディア: 新書


私たちは、一定の決め事の範囲においては、優秀に行動できる。
法律が順守されている環境や、周囲の目が光っている状況だ。


しかし、一旦それらが崩れ、まったくのフラットな状態になった瞬間、原始的な悪意や力が、私たちを掌握しようとし始める。

私たちの善意は、悪意に対し、「話せばわかる」と思うし、「正しいことをしていれば、いつか伝わり、理解してもらえる」と信じる。悪事は「水に流す」のが大人だし、その「心の広さは必ず伝わる」と考える。

私たちの善意は、そうしたお人好しの側面があり、それが見事に、しかも国家的に裏目に出たのが現在の周辺国との状況だと思うのだが、それはまた別の話としよう。私たちは外国人だけでなく、国内の人間に対してもそう“お人好し”に接する。そして、いったんルールが無用となり、まったくのフリーな状態になったとたん、悪意に支配されてしまう。

私たち日本人の大多数は、基本的に良い人たちだと思う。
そして、悪い人たちを、“周囲の目”と“空気・雰囲気”で、封じる不思議な能力を持っている。

これは、“良心を持たない人”あるいはサイコパスが、欧米と比べてずっと少ない理由として、こうした文化的側面があるのではないかと「良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖」でも指摘もされている。

良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖

良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖

  • 作者: マーサ スタウト
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本


しかし、悪意の人たちは、私たちの周りにもしっかりと存在しているのだ。

あの東日本大震災の最中でも、盗難・窃盗が相次いで起こっていたのは周知の事実だ。

“いじめ”という名の「学生の殺人・傷害」でも、裸にして撮影したり死骸を食わせたり暴行したりして、精神的にも肉体的にも死に追い詰めるし、それを守る立場の聖職者は責任回避と隠蔽に奔走するだけだ。

暴行事件で話題になった殺人の経歴のある人間がそれをキャラクターに芸能界デビューを目論むし、犯罪に手を染めてもお金になると思われれば華々しく芸能界で復帰できる。

どこかでは集団暴行襲撃事件で人が死に、また別のどこかでは暴力団に反対する住民が襲撃される。

経済的に成功した人間にはそれなりの品格とモラルと社会的規範になることが求められるが、そういった成功者でも生活保護費を掠め取ろうと目論む。

これら悪意のある人間というのは確かに存在していて、何かのバランスが崩れた時に表面化する。そして、日本人というのは、そういった悪を封じ込める不思議な力を持っているのだが、それは平時でしか機能しない。

いったんバランスが崩れれば、とたんに悪意が周囲を支配する。

日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)」では、戦争に敗れるという秩序の崩壊した状態のなかで、捕虜という閉鎖的な空間にて、次第に規律が敗れ力が支配していく過程がえがかれている。

それはまさしく、冒頭の記事にあるメキシコの刑務所状態だ。

今は平穏な日本だが、そのような逆転が起こらないとも限らない。


何年後にか、かついての日本の平穏さを懐かしむ、そんな暗黒の時代にならないことを願う。
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日本の神話に見る、黄泉の国のバイオハザード [これから日本の話をしよう!]

先日、テレビでバイオハザードの映画がやっていたので、見た。
映画は最新作の5がアメリカで公開され、初登場1位をとったという。

テレビで放映されたのは4で、自慢ではないが、テレビで放映された過去のシリーズは全て見ている。別にファンでもなんでもないのだが・・・。

バイオハザードIV アフターライフ [DVD]

バイオハザードIV アフターライフ [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


バイオハザードといえばゾンビもので、私はゲームもやったことはないし、深い知識をもっているわけでもない。

ぼけ~っと見ながら、「ゾンビって、アメリカっぽいよな~」と考えていた。
あの汚さ、不潔さ、自己主張の強い動き方襲い方・・・アメリカの匂いがぷんぷんする。それに比べて日本の幽霊とか、妖怪とかはどうだろう。押し並べて地味で、おとなしく、どことなく可愛げがある。

大接近!妖怪図鑑

大接近!妖怪図鑑

  • 作者: 軽部 武宏
  • 出版社/メーカー: あかね書房
  • 発売日: 2012/06
  • メディア: 大型本


・・・と考えたのだが、そうではないかもしれない。

いるではないか、日本にも。
立派なゾンビが・・・。

そう、そのゾンビとは、この日本を作った1柱。

伊邪那岐命(いざなみのみこと)、別名、黄泉津大神。

イザナギと共に日本列島や森羅万象の様々な神をうみ、この国そのものをつくった存在だ。その大いなる神が、いかにしてゾンビ(?)となったのか。

エピソードは、こうだ。


イザナミは火の神を生んだために、陰部に火傷をおい亡くなってしまう。
イザナミに会いたいと願うイザナギは、黄泉の国まで迎えに行く。

ようやくイザナミに会えたイザナギは、共に帰ろうとイザナミに言う。しかし、イザナミは「もう自分はこの国(黄泉の国)の食べ物を食べてしまったので戻れません。しかし、わたしも本心では帰りたいと思います。これから黄泉の国の神に相談してみるので、その間は、決してわたしの姿を見ないでください」
そう言って奥の方へ消えてしまった。

しかし、待てども待てども、一向にイザナミは戻ってこない。あたりは真っ暗闇。待ちきれなくなったイザナギは火を灯し、イザナミを探しに行ってしまった。

そこで見たものは、たくさんの蛆虫が湧き出た、恐ろしく変わり果てたイザナミの姿。

驚いたイザナギは一目散に逃げ出す。

「あなたは、わたしに恥をかかせましたね」。怒り狂ったイザナミは、黄泉の国の醜い化物を使わせて、イザナミを追いかける。

逃げるイザナギ。追うイザナミ。

黄泉比良坂まで何とか逃げてきたイザナギは、大きな岩で穴を塞ぐ。

穴の向こう側から、イザナミが叫ぶ。「覚えていろ、お前の国の人間を一日1000人殺してやる」。

イザナギは、こう答える。「それならば私は、一日1500の産屋を建てよう」。

以来、人間は一日に千人が死に、千五百人が生まれてくるようになったとさ・・・。

楽しい古事記 (角川文庫)

楽しい古事記 (角川文庫)

  • 作者: 阿刀田 高
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2003/06/25
  • メディア: 文庫



にほんたんじょう (復刊・日本の名作絵本)

にほんたんじょう (復刊・日本の名作絵本)

  • 作者: 岸田 衿子
  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 2002/04/10
  • メディア: 単行本


死したイザナミの、黄泉の国での姿はゾンビそのものである。

死体が横たわり、坂道を逃げる、穴を塞ぐ・・・。このあたり、古墳の内部を思わせる。

神を追いかけるゾンビなのだから、バイオハザードの比ではない。しかし、化物を従わせる死したイザナミは、元は神だけあってそれなりの地位であるはずだが、彼女の上位に位置する(しそうな)“黄泉の神”とは、いったいどんな存在なのだろう?

その後、仏教の広まる日本においては地獄の思想も出てきて、黄泉の国との関係性はイマイチつかめない。しかし、極楽、地獄という関係性で考えると、黄泉の国の亡者は成仏しているわけではなさそうだ。なんとなく、黄泉の国とは、極楽&地獄と生きる人の世界の、中間にありそうな気がする。

日本神話はどうも意味深である。
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米領事館襲撃事件と、すでに訪れている未来 [これから日本の話をしよう!]

ロシアのプーチン大統領が、リビアの米領事館襲撃事件に関して、
「中東が混沌に陥ることを恐れている。そして、それは既に起きつつある」
と語った。
・「中東が混沌に陥る恐れ」=リビア米領事館襲撃-ロシア大統領(時事)

この言葉で思い出したのが、今読書中の「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」で引用されていた、次の言葉だ。

「未来はすでに訪れている。ただし、あらゆる場に等しく訪れているわけではない」

この言葉はSF作家ウィリアム・ギブスンによるもので、私は彼のことを知らなかった。
調べてみると、彼は「ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)」という小説をヒットさせていて、これが大変な傑作らしい。

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1986/07
  • メディア: 文庫


アマゾンのレビュアー曰く、「本作の登場前後でSF界の潮流を変えてしまった金字塔的作品」であり、
ウィキってみると、
日本の漫画/アニメ『攻殻機動隊』や映画『マトリックス』に大きな影響を与えたと言われている」とある。
更に以前からよく言われる「サイバースペース」は彼の造語であり、その日本語訳である「電脳空間」は、本作品の翻訳者、黒丸尚によるものであるそうだ。

これはすごい作品だ。
さらに作者ウィリアム・ギブスンは日本好きであるらしく、作中には日本名や日本の地名、日本を思わせるものが頻繁に出てくるという。

ちょっと読んでみたくなるな。

話はそれたが、そのウィリアム・ギブスンの言葉、

「未来はすでに訪れている。ただし、あらゆる場に等しく訪れているわけではない」

は、気になるキーワードだ。

現在各地で起こっている変化、例えばイスラムでの反米の動き、あるいは打って変わって日本と中国との諍い、はたまたEUで起こりつつある財政危機など、これらは一過性の出来後ではなく、未来が姿を現している一端なのかもしれない。

この変化の中にあって、私たちはどう判断し、動くべきなのか・・・。

国内でも近いうちに選挙という決断行動の時期があるはずで、原発問題や政権移行の問題、諸外国との外交問題や経済問題など、私たちが考え行動しなければいけない問題は多々ある。


ところで・・・。


思えば、中東の混沌はアラブの春から始まっている。
ソーシャルネットワーク革命とも言われるアラブの春は、その首謀者たちに米国の企業人や団体が接触し、SNSの利用について指導していたということもあり、アメリカが裏で糸を引いていたのではないかとも噂されている。

政府は必ず嘘をつく  アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること  角川SSC新書

政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること 角川SSC新書

  • 作者: 堤 未果
  • 出版社/メーカー: 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/02/10
  • メディア: 新書


だいたい、そもそも襲撃事件の発端となった映画の製作者、制作方法、そして広まる過程が、いかにも怪しいじゃないか。

このいろいろの噂の真実はわからないが、しかし、そういった背景のなかで起こった今回のイスラムでの反米事件。

プーチンは「それは既に起きつつある」と言っているが、正しくは「既に起こり、更に広がりつつある」というのが近いのではないか。

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

  • 作者: リンダ・グラットン
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2012/07/28
  • メディア: 単行本



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アウトレイジと日本古代の神話 [これから日本の話をしよう!]

昨日のよる、私の自暴自棄が原因で少し暇な時間ができ(つまり、仕事をサボった)、夜の時間が空いたのでテレビを見ることにした。


私はストーリーものが好きで、ドラマも1シーズンに1つは必ず見ている。今クールで見ていたドラマは月曜にやっている「リッチマン、プアウーマン」で、たまたま見始めたのだが、なかなか面白い。タイトルと、放送開始前の「和製プリティーウーマン」的な番組宣伝の仕方が、失敗の原因だと思っている。勝手に失敗したと決め付けているが、本来であればこのドラマを見る人はもっと多かっただろうと思うし、このタイトルあの番宣では、ターゲットとなるべき人が食いつかないと思う。

リッチマン、プアウーマン

リッチマン、プアウーマン

  • 作者: 安達 奈緒子 (脚本)
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2012/09/07
  • メディア: 単行本



しかし、昨日は水曜日であり、リッチマン~はやっていない。

さて、と考え、テレビ番組表を確認する。

すると何と、映画が2つもやっていた。

1つはヴァン・ヘルシング。吸血鬼モノで、映像がすごいらしい。変に考えさせられるようなものではないらしいので、娯楽としてちょうどいい。
ヴァン・ヘルシング コレクターズ・エディション [DVD]

ヴァン・ヘルシング コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • メディア: DVD



もう1つの映画は、アウトレイジ。北野武監督の作品で、今度公開される続編があり、カンヌで好評だったという。お馴染みのヤクザもので、暴力的。残酷なシーンもあるという。
映画 アウトレイジ

映画 アウトレイジ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ドリーミュージック
  • 発売日: 2010/06/02
  • メディア: CD



残酷なものを見て、気分が悪くなるのも嫌だなと思い、結局選んだのがヴァン・ヘルシング。
モンスターがわんさか出てくるだけあって、こっちも決して心地よい映像というわけではないが、単純に娯楽を楽しみたかった。


ところが見てみると、あれ?既視感が・・・。

15分が経過し、ようやく一度見た映画だということに気づき、確信し、ストーリーも完璧に思い出してしまった。それではつまらない。

私は2時間ばかし、ボケっと娯楽を楽しみたいのだ。

急いでアウトレイジにチャンネルを変える。最初を逃したのは痛かったが、まだ間に合うだろう。


そこから、私はアウトレイジにのめり込まされた。
おお、確かにみんな悪い奴らだ。
そしてどんどん傷つけられながら、結局は死んでいく。

胸糞悪い映画かなと懸念していたが、結構楽しめてしまった。

何だか続編も見たくなったぞ。あの内容じゃあ、テレビで放映するにあたって随分削っただろう。
・アウトレイジ ビヨンド

何だか登場人物みんなが“すごく表情”をしているのが印象的だった。

そして、殺し合う男たちを見ながら、私が思い出していたのは、スサノオや、大国主命、長脛彦(ながすねひこ)など、古代の日本の神話であった。そこでむき出しに行われていただろう争い。こんなものじゃなかっただろう。

髪や爪をはぎ、指を切り落とされ、腕をもがれ、カミとして封印されていく神話の登場人物たち・・・。

アウトレイジで繰り広げられるそれと、どこか違うというのか。


そんなことを思いながら見ていたわけだが、つまりはアウトレイジ、面白かったという感想。
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日本社会の壊れ加減と、今一度見つめる日本の敗因 [これから日本の話をしよう!]

海老蔵さんの暴行事件で話題になった、不良チームの元リーダーが芸能界デビューするらしい。
この人、十数年前に傷害致死事件を起こし、つまり人を殺し、2年間少年院に入っていたという。


殺してしまったにしては随分短いように思うが、暴力で人を殺して捕まっても、未成年であれば2年間程度で出られるということだろうか。その上、いとも簡単に芸能界デビューまでできるのだから、それなら大津の加害者たちはもっと早く復活できるのだろう。あるいはそのうち、芸能会デビューまでしてしまうのだろうか?


暴対法か何かで芸能会は随分厳しくなったように言われ、紳助さんの引退騒動などもあったわけだけど、こうした経緯を見ていると、そんなに厳しくもないのだろうと思える。


むしろ、暴対法やいじめ問題などを経て、世間の見方が不良や暴力団に厳しくなっているなっているにもかかわらず、冒頭の人のような芸能会デビューや、更にエイベックスではヤンキーアイドルオーディションを行うと大々的に発表する様子を見ていると、芸能会というのはもうそういう社会とズブズブなんだろうなと思える。


いや、芸能会だけじゃないかもしれない。


闇サイト事件で捕まった犯人が、98年に起きた強盗殺人事件の主犯であったとして再逮捕された。この事件も長らく未解決事件だったのだが、犯人らは住宅に押し入り、夫人に入れ墨を見せて脅し、料理を振る舞わせ、夫人を殺し、帰宅した夫も殺したという。その家には子どもがいて、どうやら無事だったようだが、父親の上に馬乗りになっている入れ墨男を目撃している。

ふるまわれた食事に残っていた唾液のDNAで逮捕に至った。

ここで問題にしたいのは、入れ墨だ。


この事件でもわかるように、一般人にとって入れ墨は見せられるだけで脅威だ。

例の公務員入れ墨問題も、職員が入れ墨を見せて子どもを脅したところから始まっている。脅しとしてこれ以上ないくらいに簡単に効果を発揮する。

例えば刃物。
刃物をちらつかせて脅せば、たいてい脅威を感じる。

だからといって、もちろん刃物そのものが悪いわけじゃない。料理にも使うし、存在自体は否定しない。

しかし、そういった脅威にもなるのだから、銃刀法違反というものがある。


入れ墨も似たようなものだと私は思う。

だからこそ、公衆の場、たとえば銭湯やサウナ、プールなどではお断りされたりする。そう民間は動いているのに・・・

なぜ、公務員はとなると、大阪以外は二の足を踏むのだろう。

以前、このブログでも書いたが、仙台の市長は巧妙に職員の入れ墨調査をかわした。調査をしたといっているが、あんなもの調査でも何でもない。「入れ墨について市民からクレームがきたことがあるか」で無いと回答すれば、入れ墨をしている職員はいない、とは、なんと馬鹿らしい調査だろう。

他の自治体でもそうだと思うが、入れ墨調査に二の足を踏むのは、彼らの支持母体にそういった人々がいるからだろう。要するにズブズブなのだ。


入れ墨の存在自体が悪いとは思わない。入れ墨を入れている人も、それだけで悪人だとは思わない。しかし、公僕につくのであれば、それはTPOの範疇じゃないか。消すべきだろう。

この手の話題にも関連し、そして私たちの未来を考えるに最適の本がある。
このままでいったら、2度目の闇の世界を迎える。書名を見るに、全然関係ないじゃないか、と思うかもしれないが、騙されたと思って一度読んでもらいたい。
どう読んでも面白い本だとも思うので、損はないはずである。
日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)

日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)

  • 作者: 山本 七平
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2004/03/10
  • メディア: 新書



日本人は変わらなければならない。そう思う。
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おめでとうドラえもん、マイナス100歳! では、100年前には何があったか。 [これから日本の話をしよう!]


あの国民的人気のねこ型ロボット・ドラえもんは、神奈川県川崎生まれであり、しかも誕生日が2112年9月3日であるという。というわけで、今年の9月3日は、ドラえもん誕生の100年前ということだそうだ。

知らなかった。
てっきり、野比家は東京にあるのかと思っていた。

言われてみれば、野比家のある町の、学校のそばには裏山があり、あんな山がにょっきりあるなんて、東京の町のほうでは無理かもしれない。いや、川崎に山があるのかどうか知らないけど・・・。

100年後か。

いったい、日本はどうなっているのだろう?本当にネコ型ロボットが完成しているのだろうか。ここのところの、世界と日本を取り巻く不穏な情勢を見るに不安な思いに駆られることが多いが、どうにか夢を持ちたいところである。


未来は未定で未詳だが、過去についてなら、ある程度わかる。

では、今よりむかし、100年前はどうだったのだろう。

1912年。

ウィキってみると、明治天皇が崩御され、明治から大正へと年号がかわる、節目の年だった。

数年前にさかのぼり、もう少し詳しく見てみよう。

1902年に日英同盟を締結する。
1904年に日露戦争。翌年にポーツマス条約調印。

1910年に日韓併合。

こうして時代は不穏な空気をはらみながら、1912年へと至る。

1月。孫文が南京で中華民国の成立を宣言。
2月。溥儀が清朝皇帝を退位し、清朝滅亡。
3月。袁世凱が孫文に代わり臨時大総統に就任

4月。タイタニック号が沈没。
5月。ストックホルムオリンピックが開催され、日本がオリンピック初参加。
6月。日本最初の南極探検隊が東京に帰国。

7月。明治天皇崩御。大正へ。
8月。友愛会結成。
9月。暴風雨により、愛知県内で134名の死者。

10月。第一次バルカン戦争勃発。
11月。アルバニアがオスマン帝国から独立を宣言。
12月。第2次西園寺内閣総辞職、第3次桂内閣成立。


やはり不穏な時代だった。大きな災害や事故があり、政治も安定しない。戦争や紛争が頻発する世界。

このあとはどうなったのだろう。

1913年、東北・北海道地方大凶作。
1914年、第一次世界大戦&桜島の大噴火。

やがて関東大震災が起こり、太平洋戦争へと向かう。


100年前は、戦争と災害の時代だった。

では、今はどうか。

私たちはどの程度、進歩したのだろうか。

私たちが平和という進歩のために履いた長靴は、大きすぎたのか、小さすぎたのか。その一歩は、どこまで進んだ?


我々は、平和の大切さを今一度噛み締めるために、ドラえもんを読むべきである。

ドラえもん (1) (てんとう虫コミックス)

ドラえもん (1) (てんとう虫コミックス)

  • 作者: 藤子・F・不二雄
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1974/07/31
  • メディア: コミック


100年後の2112年にはネコ型ロボットを作れるように、科学と平和と発展を考えるべきである。
ドラえもん ふしぎのサイエンス 1 手回し発電タケコプター (小学館学習ムック)

ドラえもん ふしぎのサイエンス 1 手回し発電タケコプター (小学館学習ムック)

  • 作者: 小学館
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: ムック


さあ、子どもたちと一緒に、ドラえもんを読もう。
声優も変わってしまって、絵柄にしても、私たちの知るドラえもんとは微妙に異なるが、それでもいいじゃないか。

とか書きながら、ドラことばなるものがあることを発見した。
何でも、ドラえもんの中の名シーン・名台詞を選びぬいたらしい。ドラえもんといえば、少なからず名言や名シーンがあり、それらに勇気づけられた人も多いはず。これを1冊にまとめているなんて、なかなか興味深いじゃないか。
その本が、これだ。↓
ドラことば心に響くドラえもん名言集

ドラことば心に響くドラえもん名言集

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/09/01
  • メディア: 単行本


あるいは、こんなものまであるらしい。
ドラえもん ジャイアン猛言トランプ 。
【「ドラえもん」より、数々の伝説を残してきた、みんなが愛するジャイアンをトランプに!!ジャイアンが活躍した!?名場面を厳選し、トランプにまとめた逸品!!】



ジャイアンの猛言とは・・・。大体、想像はつくが・・・。

なかなか奥深いぞ、ドラえもん!
タグ:ドラえもん
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アフガン首切り事件から考える、日本人とは何か!? [これから日本の話をしよう!]


アフガニスタン南部の村で、音楽をかけて宴会を開いていた村人ら17人が頭部を切断されて殺害されたという。17人のうち、2人は女性。女性は宴席で踊っていた可能性があるらしい。

アフガニスタンの一部部族には宴席で女性が踊る伝統があるのだという。
しかし、タリバンは1996~2001年の統治下で、音楽や宴会、そして婚姻相手や親族でない男女が同席することを禁止していた。

現在もこの地はタリバンの支配地域であり、上記の理由と併せて、犯行はタリバンによるものではないかと見られている。


先ほど、一部の部族には宴席で女性が踊る伝統があると書いた。
それを、別の部族や宗教を持つものによって矯正されてしまう。それによって首を切られてしまうのだとしたら、理不尽この上ない話だと思う。


ところで、「日本人とは何か」と聞かれたら、どう答えるだろう?もちろん、国籍の話ではない。


日本で生まれたら日本人か。


それとも、日本人から生まれたら、日本人か。


あるいは、ご飯と味噌汁を食して手先が器用で富士山を知っていれば日本人か。


山本七平さんの著書のなかで、「臨在感」という言葉を知った。
以前もこのブログで引用したことがある(と思う)が、臨在感とは、ある対象に特別な存在を感じることを言う。例えば、私たちは鳥居があれば神聖な何かを感じ、自らに抑制を強いる。あるいは親や恋人などの大切な人の写真があったとして、それを簡単に破ることはできない。それはただの紙とインクの集合体であり、その人そのものとは何の関係もないのに、だ。

この臨在感とは、民俗によって異なるらしい。当然といえば当然だと思うが、例えば本書で挙げられていた例でいうと、遺跡調査の際、日本人は骸骨の取り扱いに精神的な苦痛を感じていたが、イスラエル人は平気であったらしい。

人と人の集まりである民族が、風習、体験、習慣を共有し、1つの共通の感覚を持つに至る。それは民族としての1つの経験だ。

穢(ケガレ)なんかも、似たようなものかもしれない。

山本七平さんの、この本(↓)は内容が濃いのにページ数が薄く、非常に面白いのでおすすめしておく。

比較文化論の試み (講談社学術文庫 48)

比較文化論の試み (講談社学術文庫 48)

  • 作者: 山本 七平
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1976/06/07
  • メディア: 文庫



もし私たち日本人が、日本語を廃止され、名前を改名され、神社仏閣の代わりに別の宗教施設を建てられ、米の代わりに別の主食をあてられ、盆や彼岸、節句や正月などの行事を禁止される代わりに別の文化の祝い方を強制されたとしたら、日本人は自分の中の大部分の“日本的なもの”を失うことになる。

恐ろしいことに、上記のうちの一部は、日本人自ら捨てつつある。
例えば楽天やファーストリテイリング(ユニクロ)などの英語公用語化しているし、例の最悪な愚行を行っている泉佐野市は、自らの名前をお金で売ろうと目論んでいる。


ところで、そういう日本国内にも、似たようなことは勿論あったと思う。
朝廷に逆らう民族は辺境に追いやられる。
かつて、土蜘蛛や国巣(くず)と呼ばれた人々がいて、彼らは自分たちが住んでいた場所を追いやられ、資産を奪われていく。

例えば、常陸の風土記に次のような伝えがある。

<むかし、国巣と呼ばれるものがいて、山の佐伯、野の佐伯と名乗っていた。山や野に穴蔵を掘って住んでいた。人が来ると穴に隠れ、人が去るとまた野に出て遊んだ。あるとき、大臣の一族が、彼らが穴から出て遊んでいる時に、イバラを穴倉の中に敷いて、すぐに騎馬兵によって突然追い迫らせた。佐伯どもはいつものように穴倉に走り帰ったところ、皆、イバラに突き刺さって傷ついたり、病気になったりして死んでしまった。

これは茨城県の名前の由来にもなった伝承だけれども、何とも哀れな感じがする。

上の国巣や、蝦夷、江戸時代まで幕府と戦っていたアイヌの例をとるまでもなく、騙し討ちや卑怯な手でやられることも少なくなく、奪われた側の彼らは、やがて妖怪にされてしまう。

今いる私たちの先祖は、果たして後から来た朝廷側だったのか、あるいは土蜘蛛や国巣と呼ばれた側だったのか、何とも言えない。しかし、もし後者であったとして、私たちが嬉々として鬼は外などといって豆をあてようとしているのだとしたら、何か悲しい無念さを感じる。


ともかくも、失われてしまった文化、アイデンティティは取り戻しようがない。
冒頭のアフガニスタンの非道い仕打ちは、「支配されるいということは、こういうことか」と思わされる。しかし、文化的な支配は冒頭の強攻策とは別に、緩やかな方法もあり、例えば戦後の3S政策や、以前このブログでも紹介した「23分間の奇跡 (集英社文庫)」のような、ゆるやかな方策もある。

23分間の奇跡 (集英社文庫)

23分間の奇跡 (集英社文庫)

  • 作者: ジェームズ・クラベル
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1988/07/20
  • メディア: 文庫


あるいは自ら文化を捨て去る(もしくは、弱める)人々もいて、日本国内においては外国人が増えつつある中、日本的なものは薄まりつつあるのが現状だ。

いつか、私たちは土蜘蛛や、国巣のように、消される側にならないようにしないといけない。むしろ、そういった消え去りそうな文化を守る側にありたいものである。
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中国化するのか!?いや、江戸のアウフヘーベンだ。「江戸・バグ・止揚」で考える日本の未来 [これから日本の話をしよう!]

私は「中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史」が、とても面白い本だと思う。そして、この著者がまた本を出したら、絶対とは言わないが、購入する可能性が高い。それだけ本書は面白く、読んで良かったと感じている。

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史

  • 作者: 與那覇 潤
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/11/19
  • メディア: 単行本


本書は(新)自由主義の本で、中国化といっても、現在の中国を指すのではなく、数百年前に中国大陸で実現された宋朝による先進的な文化に、日本だけでなく世界が追いつこうとしている、というもの。

日本はこれまで宋朝的な中国化する要素と、江戸時代的要素のせめぎ合いのなかで、江戸時代的な文化を選び来たわけだけど、それも限界に達している。


・・・ということで、江戸時代的なものを否定していますが、私は結構、江戸時代的なものを評価している。

村や家などの共同体、それは息苦しい。若者を追い詰める嫌な面もたくさんあると思う。
(本書の詳細は本書を参照されたい:中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史

しかし、地縁血縁の仕組みというのは、けっこううまく出来ているのではないか、と最近感じるようになった。

というきっかけは、こちらのコラムを読んでから。
このコラムはとても面白く、私は欠かさず読んでいる。

・山口美江の孤独死で考える、バブル~団塊ジュニアは実験世代!?

「僕らの世代がもしかするとかつて1度修正されたことをもう1度修正しているのかもしれないと僕は考えている。アラフォーからアラフィフ世代が否定した"家制度や地域のしがらみ"は、"今我々が検出しているバグが修正された、より完成度の高いシステムの一部"だったのかもしれないとは思わないか?」

という問いかけは、非常に興味深い。

この考え方は、止揚(しよう)という考え方に似ていると思う。

止揚とは、アウフヘーベン、辞書によると、「あるものを否定しつつも、より高次の統一の段階で生かし保存すること」ということだが、意味がわかりにくい

私の頭でもわかりやすかったのは、田坂さんの「使える 弁証法」にあった説明。

「物事は螺旋的に発展する。ひとまわり上の位置に来たとき、同じような位置にあるようで、その内容はまったく異なる。物を記すとき、石に文字を掘るのと、紙に書くのと、PC/ウェブ上で入力すること、それらは同じ物を記すにしても、その用途や利便性に大きな差がある」(以上は古い記憶からの私の超訳ゆえ本書やこの言葉の意味としては異なるかもしれない)



この、「江戸時代的な日本の社会」、「バグの修正」、「止揚」を考えると、私はその先に日本の目指すべき姿があるような気がするのだが・・・。


ところで先に引用したコラムの「ぐっどうぃる博士」。
もともとは恋愛関係の活動が多いのだが、コラムを読んでわかるとおり、ビジネスにも日常生活にも、芸能にも応用できる理屈を展開している。
最近、先のコラムの中から成功哲学のみにフォーカスしたものを出版している。
それが、これだ。

夢を叶えるアカデミー ~成功を呼ぶ13のセオリー~

夢を叶えるアカデミー ~成功を呼ぶ13のセオリー~

  • 作者: ぐっどうぃる博士
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2012/07/20
  • メディア: 単行本


興味のある人は、どうぞ。
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ハイブリッドなお盆を考える [これから日本の話をしよう!]

もうしばらくすると、お盆の時期になる。


かつての日本の行事は、明治の改暦によって日にちの意味が失われ、今や訳が解らなくなっているが、本来であれば旧暦の七月十五日前後がお盆。

そう、七月七日は七夕なので、七夕とお盆は強い関連性がある。

どんな関連があるのかというと、祖先(祖霊)を祀るというところだ。


ま、七夕は置いておいて、お盆というのは、祖先を迎え、一緒に過ごす時期をいう。祖先供養のために位牌を磨き、盆棚をつくり、食事も三食ご用意する。もちろん送り迎え用のハイヤー(茄子や胡瓜で作った馬や牛)もご用意するに決まっている。お祭りも用意し、それが盆踊りだ。

つまりこの時期、これまでにないくらい、そこかしこに亡くなった方々がいるのだ。何代前までいらっしゃるのかわからないが、血筋を30世代辿れば1億人になると言われている。日本が四千万世帯だとして、カケル1億だとしたら、これは大変な数になってしまう。


それにしても、不思議な話だ。

仏教では、確か輪廻がなかったけか。
四十九日を過ぎると六道(天人・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄)で、生まれ変わりを果たしているわけだが!?

この点からしても、祖先の供養というのは、日本古来のもの、或いは東アジア古来のものから派生しているのであって、これをお寺と絡めて行うあたりが、さすがはハイブリッドな日本仏教ということで面白い。


これは、供養や念仏を唱えるということは何のために、誰のために行うのかということと併せて考えることで、私の中では解決している。

ともかく、お盆は日本の伝統行事として、襟を正して過ごしたい。


こんな時期に、夏の風物詩・怖い話や肝試しを求める人には、どうぞ勝手にやってくださいと言っておこう。そういう人にとって、いい時期なんじゃない、お盆は。

ついでにこちらの本もどうぞ。

残穢

残穢

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/07/20
  • メディア: 単行本



鬼談百景 (幽BOOKS)

鬼談百景 (幽BOOKS)

  • 作者: 小野不由美
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2012/07/20
  • メディア: 単行本



新耳袋―現代百物語〈第4夜〉 (角川文庫)

新耳袋―現代百物語〈第4夜〉 (角川文庫)

  • 作者: 木原 浩勝
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 文庫



タグ:お盆 七夕 残穢
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